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受死日とは-暦注下段の黒日

受死日とは-暦注下段の黒日 暦注下段

受死日は、暦中下段と呼ばれる今ではあまり見かけなくなった暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)の1つです。

「死」という漢字があることから不吉なイメージがあるものですが、実際にはどういった内容のものなのか、詳しく解説します。

結論から言えば凶日ではありますが、迷信の多いものなので気にしないのが1番です。

受死日について・意味や読み方

受死日という言葉は普段あまり聞き慣れないと思いますが、どういう意味でどう読むのか、詳しく説明します。

受死日とは、どんな日?

暦に記される黒日(受死日)のマーク

受死日は、暦中下段と呼ばれる今ではほとんど記されなくなったカレンダー・暦に記される運勢の1つで、葬儀以外はすべて大凶日とされる日です。この日に病を患えば死ぬという悪い日で、百事に忌むべき日とされています。

神社などで販売されている暦には「●」で記されることから黒日とも言われます。上記の暦の写真でも中央付近に「●」が表示されていることがわかりますよね。この暦に●が記載されている日が受死日です。

最低の大悪日とされており、同じ日の他の暦注(六曜や十二直等)は一切見なくて良いと言われるくらいでした。

仮名暦略註には下記のように記されています。

年暦に、如レ此黒点を記す日にして、俗にいふ黒日也、大黒日なるがゆへ日、百事に用べからず、唯葬送に此日に用いて妨なしと心得べし

受死日の読み方は?別称・別名は?

龍の天井図

受死日の読み方は「じゅしび」もしくは「じゅしにち」です。「じゅしび」と言われることの方が多くなっています。別名・別称として「黒日」(くろび)と言われることもあります。

  • 読み方:じゅしにち・じゅしび
  • 別名・俗称:黒日・●(黒丸が暦に記載されていた)

受死日の吉凶・やってはいけないことは?

受死日は大凶日であり、特に凶となっている「病気見舞い・服薬・鍼灸・旅行」は特にやってはいけないこととされています。ただし葬儀・葬式のみは行っても良いとされています。

  • 凶:病気見舞い・服薬・針灸・旅行
  • 差し支えないこと:葬式・葬儀

もっとも受死日だから薬を飲まないなんてことは出来ませんし、常に飲んでいる薬なら飲まなければ余計に体に悪いですからそれほど気にしなくても良いでしょう。

なお葬儀・葬式のみはやっても問題ないこととされています。

受死日の由来

受死日の由来とも言われる赤松子章暦

受死日の由来について正確なことは伝わていませんが、6世紀に編纂された中国の道教に関する書物「赤松子(せきしようし)章暦」に受死日に関する記載があるため、道教(と陰陽道等)が関係して作られたもののように考えられています。

「赤松子(せきしようし)章暦」には下記のように記されています。

受死日章醮,诸天书罪,主人受殃,大凶

受死,戌辰亥己子午丑未寅申卯酉

出典1:中国哲学書電子化計画
出典2:道音文化 赤松子章历卷之二(5)

後半の「受死,戌辰亥己子午丑未寅申卯酉」は受死日の配置を表しています(後述)。

道教は日本の仏教・神道・陰陽道に深く影響を与えましたが、日本人の宗教では無いので、信じなくても良いもの言えます。

受死日の配置と日にち

受死日はどのように配置・設定されているのか?

受死日の配置

受死日は節月(二十四節気を参照)の特定の十二支(干支)で決まります。正月節は戌の日、二月節は辰の日、三月節は亥の日というよりに変化していきます。節月毎の干支は下記を参照してください。

  • 正月節(立春):戌の日
  • 2月節(啓蟄):辰の日
  • 3月節(清明):亥の日
  • 4月節(立夏):巳の日
  • 5月節(芒種):子の日
  • 6月節(小暑):午の日
  • 7月節(立秋):丑の日
  • 8月節(白露):未の日
  • 9月節(寒露):寅の日
  • 10月節(立冬):申の日
  • 11月節(大雪):卯の日
  • 12月節(小寒):酉の日

現在の一般的な1月・2月とは異なるので勘違いしないようにしてください。また太陰暦の旧暦とも異なります。

参考までに2024年と2025年の節月は下記の通りです。

2024年の節月

  • 1月=2月4日~3月4日
  • 2月=3月5日~4月3日
  • 3月=4月4日~5月4日
  • 4月=5月5日~6月4日
  • 5月=6月5日~7月5日
  • 6月=7月6日~8月6日
  • 7月=8月7日~9月6日
  • 8月=9月7日~10月7日
  • 9月=10月8日~11月6日
  • 10月=11月7日~12月6日
  • 11月=12月7日~2025年1月4日
  • 12月=2025年1月5日~2月2日

2025年の節月

  • 1月=2月3日~3月4日
  • 2月=3月5日~4月3日
  • 3月=4月4日~5月4日
  • 4月=5月5日~6月4日
  • 5月=6月5日~7月6日
  • 6月=7月7日~8月6日
  • 7月=8月7日~9月6日
  • 8月=9月7日~10月7日
  • 9月=10月8日~11月6日
  • 10月=11月7日~12月6日
  • 11月=12月7日~2026年1月4日
  • 12月=2026年1月5日~2月3日

2024年の受死日

2024年の受死日は現在の暦(普通のカレンダーで見た時)では下記の通りです。

日にち 節月 六曜 干支の日 十二直
2024年1月4日 11月 先負 卯の日
2024年1月10日 12月 先負 酉の日
2024年1月22日 12月 大安 酉の日
2024年2月3日 12月 大安 酉の日
2024年2月4日 1月 赤口 戌の日
2024年2月16日 1月 先勝 戌の日
2024年2月28日 1月 先勝 戌の日
2024年3月5日 2月 先勝 辰の日
2024年3月17日 2月 先負 辰の日
2024年3月29日 2月 先負 辰の日
2024年4月5日 3月 仏滅 亥の日
2024年4月17日 3月 大安 亥の日
2024年4月29日 3月 大安 亥の日
2024年5月5日 4月 大安 巳の日
2024年5月17日 4月 先勝 巳の日
2024年5月29日 4月 先勝 巳の日
2024年6月5日 5月 友引 子の日
2024年6月17日 5月 仏滅 子の日
2024年6月29日 5月 仏滅 子の日
2024年7月17日 6月 大安 午の日
2024年7月29日 6月 大安 午の日
2024年8月17日 7月 友引 丑の日
2024年8月29日 7月 友引 丑の日
2024年9月16日 8月 先負 未の日
2024年9月28日 8月 先負 未の日
2024年10月17日 9月 大安 寅の日
2024年10月29日 9月 大安 寅の日
2024年11月16日 10月 先勝 申の日
2024年11月28日 10月 先勝 申の日
2024年12月17日 11月 先負 卯の日
2024年12月29日 11月 先負 卯の日

2023年の受死日

2023年の受死日は現在の暦(普通のカレンダーで見た時)では下記の通りです。

日にち 節月 六曜 干支の日 十二直
2023年1月15日 12月 大安 酉の日
2023年1月27日 12月 赤口 酉の日
2023年2月9日 1月 先勝 戌の日
2023年2月21日 1月 先負 戌の日
2023年3月5日 1月 先負 戌の日
2023年3月11日 2月 先負 辰の日
2023年3月23日 2月 先負 辰の日
2023年4月4日 2月 先負 辰の日
2023年4月11日 3月 仏滅 亥の日
2023年4月23日 3月 赤口 亥の日
2023年5月5日 3月 赤口 亥の日
2023年5月11日 4月 赤口 巳の日
2023年5月23日 4月 先勝 巳の日
2023年6月4日 4月 先勝 巳の日
2023年6月11日 5月 友引 子の日
2023年6月23日 5月 仏滅 子の日
2023年7月5日 5月 仏滅 子の日
2023年7月11日 6月 仏滅 午の日
2023年7月23日 6月 大安 午の日
2023年8月4日 6月 大安 午の日
2023年8月11日 7月 赤口 丑の日
2023年8月23日 7月 友引 丑の日
2023年9月4日 7月 友引 丑の日
2023年9月10日 8月 友引 未の日
2023年9月22日 8月 先負 未の日
2023年10月4日 8月 先負 未の日
2023年10月11日 9月 仏滅 寅の日
2023年10月23日 9月 大安 寅の日
2023年11月4日 9月 大安 寅の日
2023年11月10日 10月 大安 申の日
2023年11月22日 10月 先勝 申の日
2023年12月4日 10月 先勝 申の日
2023年12月11日 11月 友引 卯の日
2023年12月23日 11月 先負 卯の日

月に2~3日はあることになります。あまり気にすることは無いと思いますが、気分的に仏滅や赤口と重なった日には、気をつけた方が良いと思います。

なお十二直も入れていますが、十二直も特定の十二支の日に配置されるもののため、同じ節月で重なることが多くなっています。

どうやって発生したかわからない「受死日」と発生した歴史がわかる十二直が同じ日に重なるというもの面白いもので、占いなんて、良いものを示すものもあれば悪いものを示すこともあるので、それほど信じなくても良いと思えてきませんか?

受死日と他の暦注下段・撰日との重なりの優先度

受死日は気にしないでも大丈夫?他の暦注と重なった場合は?

受死日と同じ暦注下段で良いとされる天赦日や天恩日等が重なった時、どちらが優先されるのか気になるところだと思います。

結論から言えば一般的には受死日が一番影響すると言われています。

他にも六曜の「大安」や十二直や二十八宿等の吉凶を示すものや、撰日と呼ばれる暦注もありますが、それらの中で一番最凶なのが、受死日とされています。

そのため、気にする人は気にしてしまいますが、出典がよくわからないものだけに信じない方が良いと思います。

なのであまり気にしないで過ごす方が心身ともに影響は無いでしょう・

受死日に買い物をしても大丈夫?

スーパーマーケットの店内

普段の買い物なら気にすることはありません。ただ縁起を担ぐという意味合いでなら、高額なものや縁起物に関しては他の日にした方が良いかもしれません。

受死日に結婚しても大丈夫?祝い事や参拝をしても大丈夫?

結婚式場

受死日に結婚や七五三等の祝い事をしても良いのか不安に思う方も多いと思いますが、受死日は宗教的には道教が発祥とされているため、キリスト教の教会や神社で行う結婚式、お宮参り等の神社への参拝は宗教的に関係ないので気にしなくて問題ありません。

ただし気にされるのであれば行わない方が良いでしょう。

なお一般的に親戚などから文句が出るのは仏滅や赤口などの六曜の方が問題視されるので、六曜を優先した方が無難です。

大安や友引の日が受死日であり、受死日を気にしないのであれば問題ありません。

受死日は迷信?

受死日は迷信かどうか気にされる方もいますが、そもそも出典も明確ではないですし、占い関係そのものが基本的に迷信です。

受死日も迷信だと思い、気にしないのが一番です。

受死日と十死日、どっちが悪い日?

受死日と十死日、どっちが悪い日かと言えば、暦注においては受死日が最も悪い日であり、続いて十死日が悪い日とされています。ただし十死日は葬儀も行うべきでは無い日とされており、実際には十死日の方が悪いように説明されることが多いです。

以上、受死日についてでした。

それでも不安が残るのであれば、電話占い等で実際に占ってもらうことをおすすめします。誰かに聞いてもらうだけでも不安は取り除けることがあります。

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