帰忌日は、暦中下段と呼ばれる今ではあまり見かけなくなった暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)の1つです。
「忌」という漢字の字面から不吉なイメージがあるものですが、実際にはどういった内容のものなのか、詳しく解説します。
吉凶としては「凶日」とされる日ですが、迷信的なものなので信じないことをおすすめします。
帰忌日とは
帰忌日とは、どんな日?
帰忌日は、暦中下段と呼ばれる今ではほとんど記されなくなったカレンダー・暦に記される運勢の1つで、出かけること・帰宅することに関して凶となる日です。また金の貸し借り・転居・結婚・成人儀礼に関しても凶となっています。
帰忌とは、天棓星(てんぼうせい:りゅう座のβ,γ,ζ,ν星)の精とされています。
この帰忌が地上に降りて来て、人家の門の前で家人が帰って来るのを妨害する日が帰忌日です。
大変古い暦注で、正倉院に納められている天平勝宝8歳(西暦756年)の具注暦にも下記のように記載されています。
帰忌日、其日 遠行(えんこう)、帰家(きけ)、移徙(わたまし)、呼女(こじょ)、娶婦(しゅふ)すべからず
帰忌日の読み方は?別称・別名は?
帰忌日の読み方は「きこにち」です。他に「きしにち」「きこび」「きこじつ」「きいみび」と読む場合もあります。また帰己日(きこにち)・帰己(きこ)と書く場合もあります。
- 読み方:きこにち、きしにち、きこび、きこじつ、きいみび
- 別名・俗称:帰忌・帰己日・帰己
帰忌日の吉凶・やってはいけないことは?
帰忌日は出かけること・帰宅することに関して凶日となる日です。特にやってはいけないこととして、金の貸し借り・遠出・帰宅・転居・結婚・成人儀礼とされています。
- 凶:金の貸し借り・遠出・帰宅・転居・結婚・成人儀礼
- 吉:特になし
帰宅することすら凶となるというのも面白いものです。
成人儀礼は一般的には成人式のことですが、地域によっていろいろとあります。左義長(どんど焼き)が一部の地域では成人儀礼になっていることもあります。
帰忌日の由来・天棓星
帰忌日の由来についてはわかっていません。節切りで配置していること、子丑寅で決まることから、陰陽五行説が関わっているものと思われます。
または天棓星という中国の星座名が使われていることから中国が元となっていることから中国の占星術が元になっている可能性も伺えます。
帰忌日の配置と日にち
帰忌日はどのように配置・設定されているか?
帰忌日はは節切り(二十四節気を参照)の特定の十二支(干支)で決まります。1・4・7・10月は丑の日、2・5・8・11月は寅の日、3・6・9・12月は子の日となっています。
現在の一般的な1月・2月とは異なるので勘違いしないようにしてください。また太陰暦の旧暦とも異なります。
- 1・4・7・10月=丑の日
- 2・5・8・11月=寅の日
- 3・6・9・12月=子の日
参考までに2024年と2025年の節月は下記の通りです。
2024年の節月
- 1月=2月4日~3月4日
- 2月=3月5日~4月3日
- 3月=4月4日~5月4日
- 4月=5月5日~6月4日
- 5月=6月5日~7月5日
- 6月=7月6日~8月6日
- 7月=8月7日~9月6日
- 8月=9月7日~10月7日
- 9月=10月8日~11月6日
- 10月=11月7日~12月6日
- 11月=12月7日~2025年1月4日
- 12月=2025年1月5日~2月2日
2025年の節月
- 1月=2月3日~3月4日
- 2月=3月5日~4月3日
- 3月=4月4日~5月4日
- 4月=5月5日~6月4日
- 5月=6月5日~7月6日
- 6月=7月7日~8月6日
- 7月=8月7日~9月6日
- 8月=9月7日~10月7日
- 9月=10月8日~11月6日
- 10月=11月7日~12月6日
- 11月=12月7日~2026年1月4日
- 12月=2026年1月5日~2月3日
2024年の帰忌日
2024年の帰忌日は現在の暦(普通のカレンダーで見た時)では下記の通りです。
月に2~5日はあることになります。
日にち | 節月 | 六曜 | 十二直 | 干支の日 |
2024年1月3日 | 11月 | 友引 | 満 | 寅の日 |
2024年1月13日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2024年1月25日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2024年2月7日 | 1月 | 先負 | 閉 | 丑の日 |
2024年2月19日 | 1月 | 仏滅 | 閉 | 丑の日 |
2024年3月2日 | 1月 | 仏滅 | 閉 | 丑の日 |
2024年3月15日 | 2月 | 先勝 | 閉 | 寅の日 |
2024年3月27日 | 2月 | 先勝 | 閉 | 寅の日 |
2024年4月6日 | 3月 | 大安 | 成 | 子の日 |
2024年4月18日 | 3月 | 赤口 | 成 | 子の日 |
2024年4月30日 | 3月 | 赤口 | 成 | 子の日 |
2024年5月13日 | 4月 | 先負 | 成 | 丑の日 |
2024年5月25日 | 4月 | 先負 | 成 | 丑の日 |
2024年6月7日 | 5月 | 赤口 | 成 | 寅の日 |
2024年6月19日 | 5月 | 赤口 | 成 | 寅の日 |
2024年7月1日 | 5月 | 赤口 | 成 | 寅の日 |
2024年7月11日 | 6月 | 大安 | 執 | 子の日 |
2024年7月23日 | 6月 | 大安 | 執 | 子の日 |
2024年8月4日 | 6月 | 先勝 | 執 | 子の日 |
2024年8月17日 | 7月 | 友引 | 執 | 丑の日 |
2024年8月29日 | 7月 | 友引 | 執 | 丑の日 |
2024年9月11日 | 8月 | 仏滅 | 執 | 寅の日 |
2024年9月23日 | 8月 | 仏滅 | 執 | 寅の日 |
2024年10月5日 | 8月 | 大安 | 執 | 寅の日 |
2024年10月15日 | 9月 | 先負 | 満 | 子の日 |
2024年10月27日 | 9月 | 先負 | 満 | 子の日 |
2024年11月9日 | 10月 | 赤口 | 満 | 丑の日 |
2024年11月21日 | 10月 | 赤口 | 満 | 丑の日 |
2024年12月3日 | 10月 | 先勝 | 満 | 丑の日 |
2024年12月16日 | 11月 | 友引 | 満 | 寅の日 |
2024年12月28日 | 11月 | 友引 | 満 | 寅の日 |
あまり気にすることは無いと思いますが、気分的に仏滅や赤口と重なった日には、気をつけた方が良いと思います。
なお十二直も入れていますが、十二直も特定の十二支の日に配置されるもののため、同じ節月で重なることが多くなっています。
どうやって発生したかわからない「帰忌日」と発生した歴史がわかる十二直が同じ日に重なるというもの面白いもので、占いなんて、良いものを示すものもあれば悪いものを示すこともあるので、それほど信じなくても良いと思えてきませんか?
2023年の帰忌日
2023年の帰忌日は現在の暦(普通のカレンダーで見た時)では下記の通りです。
日にち | 節月 | 六曜 | 十二直 | 干支の日 |
2023年1月6日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2023年1月18日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2023年1月30日 | 12月 | 先負 | 閉 | 子の日 |
2023年2月12日 | 1月 | 仏滅 | 閉 | 丑の日 |
2023年2月24日 | 1月 | 赤口 | 閉 | 丑の日 |
2023年3月9日 | 2月 | 先勝 | 閉 | 寅の日 |
2023年3月21日 | 2月 | 先勝 | 閉 | 寅の日 |
2023年4月2日 | 2月 | 先勝 | 閉 | 寅の日 |
2023年4月12日 | 3月 | 大安 | 成 | 子の日 |
2023年4月24日 | 3月 | 先勝 | 成 | 子の日 |
2023年5月7日 | 4月 | 友引 | 成 | 丑の日 |
2023年5月19日 | 4月 | 友引 | 成 | 丑の日 |
2023年5月31日 | 4月 | 先負 | 成 | 丑の日 |
2023年6月13日 | 5月 | 仏滅 | 成 | 寅の日 |
2023年6月25日 | 5月 | 赤口 | 成 | 寅の日 |
2023年7月17日 | 6月 | 仏滅 | 執 | 子の日 |
2023年7月29日 | 6月 | 大安 | 執 | 子の日 |
2023年8月11日 | 7月 | 赤口 | 執 | 丑の日 |
2023年8月23日 | 7月 | 友引 | 執 | 丑の日 |
2023年9月4日 | 7月 | 友引 | 執 | 丑の日 |
2023年9月17日 | 8月 | 仏滅 | 執 | 寅の日 |
2023年9月29日 | 8月 | 仏滅 | 執 | 寅の日 |
2023年10月9日 | 9月 | 友引 | 満 | 子の日 |
2023年10月21日 | 9月 | 先負 | 満 | 子の日 |
2023年11月2日 | 9月 | 先負 | 満 | 子の日 |
2023年11月15日 | 10月 | 赤口 | 満 | 丑の日 |
2023年11月27日 | 10月 | 赤口 | 満 | 丑の日 |
2023年12月10日 | 11月 | 先勝 | 満 | 寅の日 |
2023年12月22日 | 11月 | 友引 | 満 | 寅の日 |
帰忌日と他の暦注下段との重なりの優先度
帰忌日は気にしないでも大丈夫?他の暦注と重なった場合は?
帰忌日と他の暦注下段で良いとされる天赦日や天恩日等が重なった場合、どちらが優先されるのかと言えば暦注下段では悪いものが優先されると言われています。
ただし大安や他の暦注と重なった時はどうか?と言えば、信じる方を信じれば良いと思います。
帰忌日に結婚しても大丈夫?祝い事や参拝をしても大丈夫?
帰忌日は結婚も忌避される運勢のため、できれば結婚式は控えた方が良いでしょう。また出かけること自体が凶のため参拝や祝い事のために出かけるのも控えた方が良いでしょう。
ただし帰忌日は宗教的にはキリスト教や仏教、神道とは全く関係ないため、キリスト教の教会や神社寺院で行う結婚式、お宮参り等の神社への参拝は宗教的に関係ないので本来は気にしなくて問題ありません。
ただし気にされるのであれば行わない方が良いでしょう。
なお一般的に親戚などから文句が出るのは仏滅や赤口などの六曜(大安や仏滅)の方が問題視されるので、六曜を優先した方が無難です。
大安や友引の日が帰庫にであり、帰忌日を気にしないのであれば問題ありません。
帰忌日に引っ越しても大丈夫?契約は?
帰忌日は家に入ることが妨害される日ということで「引越し・転居」に向いてないとされています。そのため気にされる方もいるかと思いますが、そもそも暦注や占いとすべて信じていると引越しなんて出来ないので、気にしないのが1番です。
そもそも帰忌日を知っている人がほとんどいないので「仏滅に引っ越してきた」のように近隣で嫌味を言う人もいません。
契約に関しては金の貸し借り・転居がよく無いのでそれ以外の契約で自宅で行う分には問題ないと言えます。
帰忌日は迷信?
帰忌日を含む暦注下段が科学的根拠に全く基づかないものであるため、迷信です。出典自体も全く不明ですし、占い関係そのものが迷信です。
帰忌日も迷信だと思い、気にしないのが一番です。
以上、帰忌日についてでした。
それでも不安が残るのであれば、電話占い等で実際に占ってもらうことをおすすめします。誰かに聞いてもらうだけでも不安は取り除けることがあります。
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