血忌日は、暦中下段と呼ばれる今ではあまり見かけなくなった暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)の1つです。
「血忌」という漢字の字面から不吉なイメージがあるものですが、実際にはどういった内容のものなのか、詳しく解説します。
吉凶としては「凶日」とされる日ですが、迷信的なものなので信じないことをおすすめします。また普段の生活ではあまり気にすることもありません。
特に女性や医師は気にしないことをおすすめします。
血忌日とは
- 読み方:ちいみにち、ちいみび、ちこにち
- 別名・俗称:ちいみ・けこ
血忌とは、梗河星(うしかい座のρ,σ,ε星)の精で、中国ではこの3つの星を「殺忌」「日忌」「血忌」と呼んで、殺伐の気を司るとしていました。
この日は血を見ることが凶で、特に鍼灸、刑戮(死刑執行)、狩猟などが凶とされています。
血忌日は大変古い暦注で、具注暦にも下記のように記されています。
其日不可針刺出血
帰忌日の吉凶
帰忌日は先述した通り、凶日ですが特定のことだけに影響するものです。
- 凶:血を見ること・鍼灸・刑戮・狩猟
- 差し支えないこと:血をみないもの
基本的には他者・動物に対して血を出させる行為が悪いものであり、それ以外には関係ないものなので、特に気にすることも無いでしょう。
血忌日の由来
血忌日の由来についてはわかっていません。節切りで配置していること、特定の月に干支を配置していることから、陰陽五行説が関わっているものと思われます。
受死日同様、道教(と陰陽道)に関係しているかもしれません。
血忌日の配置と日にち
血忌日は節切り(二十四節気を参照)と特定の十二支(干支)で決まります。
現在の一般的な1月・2月とは異なるので勘違いしないようにしてください。
- 正月節(立春):丑の日
- 2月節(啓蟄):未の日
- 3月節(清明):寅の日
- 4月節(立夏):申の日
- 5月節(芒種):卯の日
- 6月節(小暑):酉の日
- 7月節(立秋):辰の日
- 8月節(白露):戌の日
- 9月節(寒露):巳の日
- 10月節(立冬):亥の日
- 11月節(大雪):午の日
- 12月節(小寒):子の日
参考までに2024年と2025年の節月は下記の通りです。
2024年の節月
- 1月=2月4日~3月4日
- 2月=3月5日~4月3日
- 3月=4月4日~5月4日
- 4月=5月5日~6月4日
- 5月=6月5日~7月5日
- 6月=7月6日~8月6日
- 7月=8月7日~9月6日
- 8月=9月7日~10月7日
- 9月=10月8日~11月6日
- 10月=11月7日~12月6日
- 11月=12月7日~2025年1月4日
- 12月=2025年1月5日~2月2日
2025年の節月
- 1月=2月3日~3月4日
- 2月=3月5日~4月3日
- 3月=4月4日~5月4日
- 4月=5月5日~6月4日
- 5月=6月5日~7月6日
- 6月=7月7日~8月6日
- 7月=8月7日~9月6日
- 8月=9月7日~10月7日
- 9月=10月8日~11月6日
- 10月=11月7日~12月6日
- 11月=12月7日~2026年1月4日
- 12月=2026年1月5日~2月3日
2023年の血忌日カレンダー
2023年の血忌日は現在の暦(普通のカレンダーで見た時)では下記の通りです。
月に2~3日はあることになります。
日にち | 節月 | 六曜 | 十二直 | 干支の日 |
2023年1月6日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2023年1月18日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2023年1月30日 | 12月 | 先負 | 閉 | 子の日 |
2023年2月12日 | 1月 | 仏滅 | 閉 | 丑の日 |
2023年2月24日 | 1月 | 赤口 | 閉 | 丑の日 |
2023年3月14日 | 2月 | 赤口 | 定 | 未の日 |
2023年3月26日 | 2月 | 赤口 | 定 | 未の日 |
2023年4月14日 | 3月 | 先勝 | 開 | 寅の日 |
2023年4月26日 | 3月 | 先負 | 開 | 寅の日 |
2023年5月14日 | 4月 | 先負 | 平 | 申の日 |
2023年5月26日 | 4月 | 仏滅 | 平 | 申の日 |
2023年6月14日 | 5月 | 大安 | 納 | 卯の日 |
2023年6月26日 | 5月 | 先勝 | 納 | 卯の日 |
2023年7月14日 | 6月 | 先勝 | 満 | 酉の日 |
2023年7月26日 | 6月 | 友引 | 満 | 酉の日 |
2023年8月7日 | 6月 | 友引 | 満 | 酉の日 |
2023年8月14日 | 7月 | 先負 | 成 | 辰の日 |
2023年8月26日 | 7月 | 大安 | 成 | 辰の日 |
2023年9月7日 | 7月 | 大安 | 成 | 辰の日 |
2023年9月13日 | 8月 | 大安 | 除 | 戌の日 |
2023年9月25日 | 8月 | 赤口 | 除 | 戌の日 |
2023年10月7日 | 8月 | 赤口 | 除 | 戌の日 |
2023年10月14日 | 9月 | 先勝 | 危 | 巳の日 |
2023年10月26日 | 9月 | 友引 | 危 | 巳の日 |
2023年11月7日 | 9月 | 友引 | 危 | 巳の日 |
2023年11月13日 | 10月 | 仏滅 | 建 | 亥の日 |
2023年11月25日 | 10月 | 仏滅 | 建 | 亥の日 |
2023年12月14日 | 11月 | 赤口 | 破 | 午の日 |
2023年12月26日 | 11月 | 赤口 | 破 | 午の日 |
あまり気にすることは無いと思いますが、気分的に仏滅や赤口と重なった日には、気をつけた方が良いと思います。
なお十二直も入れていますが、十二直も特定の十二支の日に配置されるもののため、同じ節月で重なることが多くなっています。
どうやって発生したかわからない「血忌日」と発生した歴史がわかる十二直が同じ日に重なるというもの面白いもので、占いなんて、良いものを示すものもあれば悪いものを示すこともあるので、それほど信じなくても良いと思えてきませんか?
2024年の血忌日カレンダー
2024年の血忌日は現在の暦(普通のカレンダーで見た時)では下記の通りです。
日にち | 節月 | 六曜 | 十二直 | 干支の日 |
2024年1月13日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2024年1月25日 | 12月 | 友引 | 閉 | 子の日 |
2024年2月7日 | 1月 | 先負 | 閉 | 丑の日 |
2024年2月19日 | 1月 | 仏滅 | 閉 | 丑の日 |
2024年3月2日 | 1月 | 仏滅 | 閉 | 丑の日 |
2024年3月8日 | 2月 | 仏滅 | 定 | 未の日 |
2024年3月20日 | 2月 | 赤口 | 定 | 未の日 |
2024年4月1日 | 2月 | 赤口 | 定 | 未の日 |
2024年4月8日 | 3月 | 先勝 | 開 | 寅の日 |
2024年4月20日 | 3月 | 友引 | 開 | 寅の日 |
2024年5月2日 | 3月 | 友引 | 開 | 寅の日 |
2024年5月8日 | 4月 | 仏滅 | 平 | 申の日 |
2024年5月20日 | 4月 | 仏滅 | 平 | 申の日 |
2024年6月1日 | 4月 | 仏滅 | 平 | 申の日 |
2024年6月8日 | 5月 | 先勝 | 納 | 卯の日 |
2024年6月20日 | 5月 | 先勝 | 納 | 卯の日 |
2024年7月2日 | 5月 | 先勝 | 納 | 卯の日 |
2024年7月8日 | 6月 | 友引 | 満 | 酉の日 |
2024年7月20日 | 6月 | 友引 | 満 | 酉の日 |
2024年8月1日 | 6月 | 友引 | 満 | 酉の日 |
2024年8月8日 | 7月 | 大安 | 成 | 辰の日 |
2024年8月20日 | 7月 | 大安 | 成 | 辰の日 |
2024年9月1日 | 7月 | 大安 | 成 | 辰の日 |
2024年9月7日 | 8月 | 赤口 | 除 | 戌の日 |
2024年9月19日 | 8月 | 赤口 | 除 | 戌の日 |
2024年10月1日 | 8月 | 赤口 | 除 | 戌の日 |
2024年10月8日 | 9月 | 友引 | 危 | 巳の日 |
2024年10月20日 | 9月 | 友引 | 危 | 巳の日 |
2024年11月1日 | 9月 | 仏滅 | 危 | 巳の日 |
2024年11月7日 | 10月 | 仏滅 | 建 | 亥の日 |
2024年11月19日 | 10月 | 仏滅 | 建 | 亥の日 |
2024年12月1日 | 10月 | 大安 | 建 | 亥の日 |
2024年12月8日 | 11月 | 赤口 | 破 | 午の日 |
2024年12月20日 | 11月 | 赤口 | 破 | 午の日 |
血忌日と他の暦注下段・選日との重なりの優先度
血忌日と同じ暦注下段で良いとされる天赦日や天恩日等が重なった時、どちらが優先されるのか気になるところだと思います。
結論から言えば暦注下段は凶事が優先されると言われています。
血忌日は血を見る行為が悪いだけなので、気にすることも無いと思いますが、例えば手術等の日程を決めるのであれば、血忌日なんて気にしないで科学的に一番良い日を医師に決めてもらう方が間違いありません。
以上、血忌日についてでした。
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