甲子と呼ばれる日や年があります。
甲子は干支で1番最初に位置するものであり、様々な言い伝えや吉凶に用いられています。
甲子とはどういうものか、甲子の日・甲子の年についても詳しく説明します。
基本的に「甲子」とつく日や年は「吉」となります。
甲子について
- 読み方(訓読み):きのえね・こうぼくのねずみ・こうぼくのね
- 読み方(音読み):こうし・かっし・かし
- 吉凶:吉
- 陰陽五行思想:相生(水生木)
- 納音:海中金(かいちゅうきん)
甲子は60通りの干支の中で1番最初に位置しています。
干支は十干(甲乙丙丁…)と十二支(子丑寅卯…)の組み合わせのことです。
元々は数詞(数を表す言葉)でしたが陰陽節・五行説等と融合していろいろな意味を持つようになりました。
甲子の年
60年周期の干支の中で一番最初となる甲子は、西暦を60で割って4が余る年となります。
甲子の年は下記のようになっています。
西暦1000年未満 | 4年・64年・124年・184年・244年 304年・364年・424年・484年・544年 604年・664年・724年・784年・844年 904年・964年 |
西暦1000年から 1999年 |
1024年・1084年・1144年・1204年 1264年・1324年・1384年・1444年 1504年・1564年・1624年・1684年 1744年・1804年・1864年・1924年 1984年 |
西暦2000年以降 | 2044年・2104年・2164年・2224年 2284年・2344年・2404年・2464年 2524年・2584年・2644年・2704年 2764年・2824年・2884年・2944年 |
ただし1864年以前の記録(書物等)の場合、旧暦による甲子の年としている場合もあります(日本が新暦になったのは1873年(明治6年)からです。
また旧暦記載・節月記載のカレンダーの場合、旧暦や節月での干支の年を記載している場合があります。
甲子の月
干支を月に割り振って管理していた暦もあり、甲子の月というものが存在します。
今でも旧暦について詳しく書いてあるカレンダーだと月干支としてその月の干支が記載されている場合もあります。
月干支は60ヶ月周期になるため、西暦の下一桁が3か8(十干が葵か戊)の年の11月が甲子の月となります。
ただし干支月は、現在3種類あります。
- 新暦の月にそのまま割り振る干支月
- 旧暦の月に割り振る干支月
- 節月に割り振る干支月
*当サイトの日々のカレンダーに記載している干支月は新暦のものと節月のものです。
甲子の日
現在のカレンダーでも干支を日に割り振って掲載しているものがあります。
干支の日の配置は単に60個ある干支をずっと配置しているだけです。どの日にどの干支を置くというものは決まっていません。
吉凶や陰陽五行思想における甲子・甲子の日
甲子は干支によって1から60までの数の1番目を表すものですが、陰陽五行思想等と結びついて吉凶を判断したり選日となっています。
また神道や仏教と結びついて特別な日にもなっています。
陰陽五行思想での甲子・甲子の吉凶
陰陽五行思想では、干支の甲は「陽の木」、十二支の子は「陽の水」で相生(水生木)となり、また干支の組み合わせで1番になっていることから「甲子」としての吉凶は「吉」となっています。
甲子の年は「吉祥年」としてめでたい年とされてきました。
吉日・選日としての甲子の日
陰陽五行思想から「甲子」の吉凶は「吉」と説明しましたが、甲子の日は「吉日」として縁起の良い日とされてきました。
また大黒天を祀っている神社・お寺では甲子の日には「大黒天祭」(甲子祭)が開催されることも多くなっています。
これはネズミ(子)が大黒天の使いだったため、ネズミの日で一番最初となる甲子の日に大黒天を祭るようになりました。
ただし厳密には大黒天の使いではなく、日本神話における大国主(大穴牟遅神)がスサノオの計略によって焼き殺されそうになった時にネズミが助けたという説話によるものです。
大黒天が神仏習合により大国主と同一視されたために派生したものです。
また甲子祭・大黒天祭の際、甲子待(かっしまち・かしまち)と称して、この日の夜、子の刻(深夜0時)まで起きて、大豆・黒豆・二股大根を食膳に供えて大黒天を祭ります。
甲子が基準になる選日
天赦日とは、百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ、最上の大吉日です。
そのため、天赦日にのみ「万(よろづ)よし」とも注記されることがあります。
天赦日の割り振りとしては4つあります。
- 立春から立夏の前日までの戊寅の日
- 立夏から立秋の前日までの甲午の日
- 立秋から立冬の前日までの戊申の日
- 立冬から立春の前日までの甲子の日
立冬から立春の前日までは甲子の日が天赦日となります。
占星術・四柱推命における甲子
東洋占星術や四柱推命として甲子は扱われることがあります。
納音として甲子
納音としての甲子は「海中金」となっています。四柱推命か算命学によって運勢は若干ことなりますが、海中金は水中に沈んでいる金(砂金)を意味しています。
それを引き上げて自分の役に立たせるか、それとも引き上げずに用心して過ごすかで異なってくると言えます。
占星術・四柱推命における甲子
占星術や四柱推命の書籍では甲子の人は下記のように説明されています。
いつまでも気持ちが若く、この干支はスタートの星なので、とても勢いがあり直球勝負でチャレンジしていきます。記憶力や計算力、分析力も高く、学問、語学の方面に才能があります。
この年生まれの人は「衣食に事欠くことの ない一生を送る」と考えられます。また干・支の番号がともに一番であるこ とから、努力すれば政府や政界で高い地位を狙える可能性もあります。
両方の占いから見てわかることは、才能が豊かだということです。そして1番であることか若々しい、トップを取れる・活躍が期待出来るという解釈がなされています。
つまり持って生まれた才能があり、努力をきちんと行っていれば上を目指せるということになります。
甲子に関すること
甲子に関することをいろいろと記載していきます。
甲子とつくもの
野球が好きな人なら甲子園を楽しんでいる人も多いと思います。
甲子園の甲子は、甲子からついています。甲子園球場が出来たのは1924年の甲子の年です。そこから甲子園球場となりました。
また福島県に甲子温泉という温泉がありますが、1384年の甲子の年に発見されたことから名付けられています。
1984年の甲子の年ではほとんどありませんでしたが、1924年の頃は甲子の年に生まれたということで、名前に「甲子」をつける親御さんが多くいました。
甲子に関するリンク
干支 | |||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
甲子 | 乙丑 | 丙寅 | 丁卯 | 戊辰 | 己巳 |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
庚午 | 辛未 | 壬申 | 癸酉 | 甲戌 | 乙亥 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
丙子 | 丁丑 | 戊寅 | 己卯 | 庚辰 | 辛巳 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
壬午 | 癸未 | 甲申 | 乙酉 | 丙戌 | 丁亥 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
戊子 | 己丑 | 庚寅 | 辛卯 | 壬辰 | 癸巳 |
31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 |
甲午 | 乙未 | 丙申 | 丁酉 | 戊戌 | 己亥 |
37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 |
庚子 | 辛丑 | 壬寅 | 癸卯 | 甲辰 | 乙巳 |
43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 |
丙午 | 丁未 | 戊申 | 己酉 | 庚戌 | 辛亥 |
49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 |
壬子 | 癸丑 | 甲寅 | 乙卯 | 丙辰 | 丁巳 |
55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 |
戊午 | 己未 | 庚申 | 辛酉 | 壬戌 | 癸亥 |
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