臘日は、吉凶を表す選日(暦注)でもあり、特定の日を表す言葉であり、暦の上での注記です。
吉凶で言えば諸説あり、現在では特定のことにおいて凶となる解釈が多くなっています。
実際にはどういう凶日なのか、またどういう意味なのか詳しく説明します。
臘日について
臘日について説明します。
臘日とは
臘日とは選日と呼ばれる暦注の1つで、旧暦の12月に訪れます。または大晦日を表す言葉として使われることもあります。選日としての臘日は凶日と扱われることが多くなっています。なお年中行事としての「臘日」とは意味が異なります。
- 読み方:ろうにち・ろうじつ
- 別称・俗称:ー
「臘」とは「つなぎあわせる」という意味で、新年と旧年の境目となる旧暦12月のことを「臘月」とも言います。
この日を年の暮れとして大祓を行うこともあり、そこから大晦日のことを臘日と呼ぶこともあります。
年中行事としての臘日
年中行事としての臘日は旧暦の12月8日で、選日の臘日とは意味合いが異なります。
年中行事の臘日は、「五豆」を食べると日とされています。実際には、大豆、緑豆、黒豆、小豆、ササゲといった5種類の豆類を粟や米と一緒に炊いたお粥で食すことになっていますが、日本ではほとんど浸透しておらず中国での年中行事という要素が強いです。
臘日の吉凶
臘日の吉凶は諸説あると説明しましたが、選日・暦注としての臘日は最近だと下記のことに対して凶とされていることが多くなっています。
- 神事・嫁取り(結婚)
もっとも師走の忙しい時期に年末に関する神事をしたり、結婚をするというのはそもそも難しい時代でしたから、特に影響はなかったようにも思います。
臘日の由来
元々は「臘祭」という中国の習慣で、年末に神と祖先の祭祀を一緒に(=つなぎあわせて)行うというものでした。
「臘」は「猟」に通じ、猟をして捕えた獣を祭壇に供えました。日本にはこの習慣は伝わらず、臘日は単なる暦注の一つとなっています。しかし、その吉凶には諸説あり、採用していない暦も多くなっています。
中国での習慣・祭事でしたが日本においてはほぼ暦注の1つとなっています。
日本最古の暦である具注暦(8世紀・700年代)にも記載があるので、かなり古くからある暦注になります。
臘日の配当と日にち
臘日の選日法(決め方)にはいくつかの説があります。
- 小寒後の2度目の辰の日
- 大寒に最も近い辰の日(現在の主流)
- 大寒後の最初の戌の日
- 旧暦12月9日
- 旧暦12月8日(ただし選日としての臘日では無い)
1と2の場合、同じ日になる確率は割と高くなります。5の選日方について述べているところはほとんどありません。
小寒・大寒は二十四節気です。小寒は毎年1月5日頃、大寒は1月20日頃に訪れます。
詳しくはそれぞれの項目をご覧ください。
辰の日としている理由は、「辰は五行思想では土気であり、冬は水気なので土剋水となり、水気を土気で剋するために辰の日を臘日とする」(小泉光保の「循環暦」)としており、五行説の考え方となっています。
戌の日にしてある説の場合も戌は土気なので同じ理由になります。
参考:五行説
なお神社本庁に属している神社で授与品として扱われていることが多い「神社暦(日本神社暦編纂会編)」では「大寒に最も近い辰の日」とされています。
2024年の臘日
2024年の臘日は4つの説から候補日として次のようになります。
日にち | 曜日 | 節月 | 二十四節気 | 干支の日 | 臘日 |
2024年1月17日 | 水曜日 | 12月 | (小寒) | 辰の日 | 候補日 |
2024年1月19日 | 金曜日 | 12月 | (小寒) | 午の日 | 候補日 |
2024年1月23日 | 火曜日 | 12月 | (大寒) | 戌の日 | 候補日 |
2024年1月29日 | 月曜日 | 12月 | (大寒) | 辰の日 | 候補日 |
2023年の臘日
2023年の臘日は4つの説から候補日として次のようになります。
4つの候補日があっても重なる日もあるので2~3日になることもあります。
日にち | 曜日 | 節月 | 二十四節気 | 干支の日 | 臘日 |
2023年1月22日 | 日曜日 | 12月 | (大寒) | 辰の日 | 候補日 |
2023年1月28日 | 土曜日 | 12月 | (大寒) | 戌の日 | 候補日 |
臘日が他の暦注と重なった時の優先度
臘日が他の暦注と重なった場合、例えば吉日となる一粒万倍日や大安等の吉日と重なった場合や、凶日となる受死日や仏滅と重なった場合、どちらが優先されるのか?
それは特に決まっていませんし、決めるのはあなた自身です。
ただ臘日は現在の暦においては現実に即しておらず、気にしなくても良いのではないでしょうか?
旧暦時代の年末であり、今の時代であれば1月中旬から下旬くらいになることが多いため、通常の日です。
もし現在の日本で意識するのであれば冬至(12月22日頃)後の最初の「辰の日」か「戌の日」が適しています。もっともそうすると今度はクリスマスに重なることもあり、クリスマスに結婚を考えている人を悩ませるかもしれませんが、キリスト教と中国の神話、どちらを優先するか?ということになります。
そんなもの、今の日本の生活ならほとんどの方はクリスマスを優先しますよね。
そもそも臘日を知らない人が多いので、気にする必要性も無いと言えます。
ただ年末に祖先のことを思い出し、年を越せるのも祖先のおかげと感謝する気持ちを持つ日を臘日と考えていれば良いのではないでしょうか?
六曜(大安や友引)と重なった場合は臘日なんて知らない人が多いので、意識することもありません。
他の選日や暦注下段と重なった時も結婚に関して以外なら気にすることもありません。
また臘日を選日・暦注ではなく大晦日と考えた場合、1年間無事過ごせたことを祖先に感謝する日と思えば普通のことではないでしょうか?
臘日に関すること
臘日に関することを記していきます。
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