十二直の2番目に配置されている「除(のぞく)」
- 吉凶:事による
- 意味:障害を取り除く日
- 吉凶:井戸掘り・治療開始・祭祀などは吉、結婚・動土は凶
一般的には上記のように説明されていますが、もう少し詳しく解説します。
十二直 除の意味と吉凶
万物を折衝して百凶を除き去るゆえ「除く」と言われています。つまり障害を取り除いてくれる日とされています。
「煤払い、沐浴、治療、祭祀などに吉とされ、婚礼、出行、井戸掘りに凶である」
*出典「現代 こよみ読み解き辞典」(柏書房 岡田 芳朗・阿久根末忠)
他の解説書では「土動かしは凶」としている場合もあります。
ただいくつかのサイトで「井戸掘り」は吉としていることもありますが、そう書いているサイトでも土動かしは凶としており、矛盾もあります。
煤払いや沐浴、治療、祭祀に共通することは、汚れ・不浄・ケガレを落とす(=除く)ということです。
沐浴には水やお湯、お香・煙・火などでケガレを落とすという宗教的な儀式を示す言葉です。乳児の身体を洗うことも含まれることもありますが、ここでいう沐浴は宗教的な儀式による沐浴だと考えられます。
治療においても十二直が生まれた時代において治療は宗教的な儀式が多く、沐浴に通じるものです。
宗教的に何かを取り除く行為が含まれるものは吉事となると言えます。
婚礼や出行、井戸掘りに共通することは、新たなモノ・コトが生まれることですよね。除くのに良い日なのに、新たに生みだすのは正反対になるため、凶とされたように思われます。
十二直 除の配当と重なる選日・暦注下段
十二直は一番最初の「建」を特定の節月の十二支に配置するように決まっているため、必然的に「除」は下記のように配置されます。
- 11月節(大雪):大雪後の最初の丑の日が除になる
- 12月節(小寒):小寒後の最初の寅の日が除になる
- 正月節(立春):立春後の最初の卯の日が除になる
- 2月節(啓蟄):啓蟄後の最初の辰の日が除になる
- 3月節(清明):清明後の最初の巳の日が除になる
- 4月節(立夏):立夏後の最初の午の日が除になる
- 5月節(芒種):芒種後の最初の未の日が除になる
- 6月節(小暑):小暑後の最初の申の日が除になる
- 7月節(立秋):立秋後の最初の酉の日が除になる
- 8月節(白露):白露後の最初の戌の日が除になる
- 9月節(寒露):寒露後の最初の亥の日が除になる
- 10月節(立冬):立冬後の最初の子の日が除になる
上記のことから、下記の暦注下段と重なります。
ある占いでは吉、でもある占いでは凶となることは本当によくあることなので、あまり気にしないのが一番です。
以上、十二直「除」についてでした。
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