十二支(干支)で10番目に来る「酉」、自分や家族、気になる人が酉の年だったり、来年の干支が酉年だと気になって調べることも多いと思います。
酉はどういう干支で、どういう意味があるのか、酉の日や酉の年について詳しく説明します。
酉 詳細
- 動物(十二生肖 ):にわとり(鶏)
- 十二支での順番:10
- 読み方(訓読み):とり
- 読み方(音読み):ゆう
- 陰陽:陰
- 五行:金
- 十二時酉(時刻/名称):17時から19時/日入
- 十二酉(天区):大梁/金牛宮
- 方位:西
- 四季:秋
- 月:旧暦8月
- 別称(歳名):作噩
- 本義:酒熟して気の漏れる象。陰気の熟する所
- 西暦での酉の年:西暦を12で割って1が余る年
酉の語源
酉は、綇(しゅう・ちぢむの意味)で、草木の果実が成熟の極に達した有り様を表しています。
酉という動物について
酉は、鳥ではなく鶏(にわとり)です。
中国において、中国語の「鶏」の発音は「吉」の発音と近いため鶏は縁起の良い動物でした。日本においても時告鳥として神聖視されていました。
日本で鶏が飼育されている歴史は長いものの、食用となったのは江戸時代中期からと言われており、一般庶民が頻繁に食べ始めるのは明治期に入ってからと言われています。
酉を含む干支
酉を含む干支は5つあります。
- 癸酉(みずのととり):1933年・1993年
- 乙酉(きのととり):1945年・2005年
- 丁酉(ひのととり):1957年・2017年
- 己酉(つちのととり):1969年・2029年
- 辛酉(かのととり):1921年・1981年
陰陽の組み合わせで「酉年」は必ず陰と陰の組み合わせになります。
酉の日・酉の年について
酉の日や酉の年はどういう日・年として見られているのか、また考えられているのか説明します。
酉の日
通常ではあまり気にしない酉の日ですが、11月の酉の日は一部の寺社で「酉の市」が行われ、熊手を買う人で賑わいます。
なお11月(旧暦)に3回酉の日がある年は火事が多くなる年と言われています。
なお酉の市は、昔は旧暦の11月でしたが、現在は新暦(通常)の11月に行われます。
酉の年
酉の年はなにかがあるということは特には無いのですが、辛酉の年だけは政変が起こると言われていました。
辛酉は天命が改まる年とされ、王朝が交代する革命の年で辛酉革命と言われていました。
実際に江戸時代まで元号が改められる理由に「辛酉革命」となっているものは多数あります。建国記念の日もこの辛酉革命が関係しているとされています。
詳しくは「辛酉」をご覧ください。
酉の性格・運勢・相性
酉の年に生まれた人の性格や運勢、また相性が気になるところだと思います。酉の年生まれの人はどんな性格でどんな運勢なのか、他の十二支との相性についても説明します。
どの占いで見るかによってかなり異なりますが、暦のサイトらしく暦注に影響を与えている陰陽五行説等から考察して説明します。
酉の性格
酉は陰陽五行説で見ると「陰の金」となります。陰の金は十干で言えば「辛」です。
参考:辛(かのと)
辛の性質に十二支の酉が持つ要素や語源を加えて考えてみると、一言で言えば酉は「几帳面」です。
真面目であり勘も鋭いのが酉年生まれの特徴です。勢いで行動することも少なく、妥協はしない性格です。
だから几帳面ですが、悪い方向に進むと几帳面さ・真面目さが空回りしてしまうことが欠点と言えます。
酉の運勢
運そのものは良いのですが、欲張り過ぎたい、空回りから運を逃すこともあり大成はしないと言われています。
欲張りすぎず、ある程度の妥協は受け入れることで悪くない人生を過ごせそうです。
酉の相性の良い十二支
酉と相性が良いのは、丑(うし)と巳(み)、そして辰(たつ)です。
逆に相性が悪いのは卯(う)と子(ね)、そして戌(いぬ)と酉(とり)です。
酉は似た者同士だからというよりは、お互いに傷つけ合う関係になってしまうからです。
酉に関すること
酉に関することを記していきます。
ニワトリは日本固有種では無い
ニワトリは元々は日本に存在していません。日本に伝来したのはいつなのかはっきりとしたことはわかっていませんが、弥生時代に入ってきたとするのが主流です。
ただ日本に入ってきた当時は、食用・採卵用ではなく、時告鳥としての使われることがメインだったとされています。
ニワトリは朝早く、夜明けとともに鳴くため、日の出日の入りで生活していた江戸時代までは、時を教えてくれる神聖な鳥だった訳です。
酉は犬猿の間にいる
十二支の順番にはいろいろな伝承がありますが、酉は戌と申に挟まれています。
戌と申、つまり犬猿の間であり、昔から仲が悪いことを犬猿の仲と言います。
伝承では、神様の元に集まった犬と猿が喧嘩をはじめて、それを仲裁したのが鶏だったから、その間に入ったと言われています。
そしてこの話は桃太郎にも影響したと言われています。桃太郎のお供は、犬・猿・雉で、鶏ではありませんが、国鳥である雉に変更したと言われています。
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