戊は、十干の5番目に割り当てられた数詞です。
戊はもともと「茂(しげる)」を語源とし、草木が繁茂して盛大となった状態を表しています。
戊にはどういう意味があり、どういう干支が割り当てられているか詳しく説明します。
戊(つちのえ)詳細
- 十干での順番:5
- 読み方(訓読み):つちのえ
- 読み方(音読み):ぼ
- 占い/五行読み:ぼど
- 意味:山・丘の土
- 陰陽:陽
- 五行:土
- 五星:土星
- 兄弟(えと)の性質:土の兄
- 五方:中(中心)
- 四季:四季の土用
- 二十四方:-(中心)
- 本義: “茂”に通じ、陽気による分化繁栄
- 異名:著雍
- 西暦の下一桁:8
戊の語源
戊はもともと「茂(しげる)」を語源とし、草木が繁茂して盛大となった状態を表しています。
そこから「“茂”に通じ、陽気による分化繁栄 」という意味になります。
戊の四季・土用について
十干にはそれぞれ四季が割り当てられていますが、戊・己に関しては、直接的な四季は割り当てられておらず、土用として割り当てられています。
五行では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割り当ててますが、残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、これを「土旺用事」、「土用」と呼んでいます。
四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間にそれぞれ土用は配置されています。
立秋前の夏の土用(丑の日にうなぎを食べる)がもっとも有名ですが、二十四節気のそれぞれの季節の前に割り当てられています。土用の最終日は、節分にあたります。
戊を含む干支
戊を含む干支は下記の6つです。
- 戊辰:つちのえたつ(龍)・1928年・1988年
- 戊寅:つちのえとら(虎)・1938年・1998年
- 戊子:つちのえね(鼠)・1948年・2008年
- 戊戌:つちのえいぬ(犬)・1958年・2018年
- 戊申:つちのえさる(猿)・1968年
- 戊午:つちのえうま(馬)・1978年
戊の性質(四柱推命的考察)
戊は、陽の土であり、山や丘、大地の土を表していることから、包容力と安定性があるとされています。おおらかで包み込む優しい性格となっています。
ただし悪く言えば鈍感と捉えられることがあります。
のんびりして、どっしりと構えている、そんなイメージな人となります。そして大地の恵みを与えることを生きがいにすると言われ、原動力は人のためとなるとされています。
また包容力から自然と人を集める魅力がある人になるとも言われています。
反面、動かない=頑固という性格が出てしまうこともあります。
良い方向に頑固が出れば粘り強い、根気があるということになりますが、悪い方向に頑固が出れば融通が利かない人となります。
- 包容力と安定性がある
- 悪く言えば鈍感
- のんびりとしてどっしりと構えている
- 原動力は人のために動くこと
- 自然と人を集める魅力がある
- 頑固な一面もある
- 粘り強い
- 融通が利かない
上記の要素に十二支の要素が加わり四柱推命等の占いが行われます。
戊に関すること
戊に関することを記していきます。
間違えやすい戊と戌
干支に「戊戌」がありますが、漢字が非常に似ているため「戊(つちのえ)」を「戌(いぬ)と間違えてしまうことがあります。
また戌が2つ重なったものと見てしまうことも。
ただ戌(いぬ)は、「漢書」律暦志によると戌は「滅」(めつ:「ほろぶ」の意味)であり、草木が枯れる状態を表しているとされています。
戊は「茂(しげる)」を語源としており、戌は「滅=枯れる」を意味していると考えると戊戌で相反するものが並んでいる状態になっており、面白い干支だと思います。
数詞としての5の意味を持つ戊
数詞(数を表す言葉)としては5を表す戊ですしかし甲乙丙丁までは1~4という順番を覚えている方も多いのの、戊が5を表すということはあまり知られていません。
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