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31日無い月の覚え方、にしむくさむらい(西向く士)はいつから言われていたのか?

31日無い月の覚え方、にしむくさむらい(西向く士) 暦いろいろ

1ヶ月は31日ですが、31日無い月は2月・4月・6月・9月・11月の5ヶ月です。この5ヶ月の覚え方として「西向く侍・西向く士・にしむくさむらい」で覚えた方も多いのではないでしょうか?

でも「にしむくさむらい」っていつから使われていたのか、気になりませんか?

「にしむくさむらい」という言葉が登場したのは、1837年(天保8年)と言われています。

太陰太陽暦の大小暦から生まれた「西向く侍」

明治5年(1872年)まで日本は太陰太陽暦という旧暦を使っていました。

参考:旧暦と新暦。太陰暦と太陰太陽暦、太陽暦について 

太陰太陽暦は新月(月が見えない状態)から次の新月までの期間を1ヶ月にしたものですが、その期間が約29.53日でした。

そのため30日と29日の月を作って平均して29.5日としました。

30日の月を大月、29日の月を小月と言い、大小暦とも言うようになりました。

でも江戸時代の暦では、年によってこの大月と小月が異なっており、どうやって覚えるか?という問題が生まれました。

天保8年(1837年頃)の小月は、2月・4月・6月・9月・11月で覚えるための言葉が「西向く士」(士と書いてサムライと読む)でした。

その言葉が今も残っていて、現在の暦(カレンダー)と同じ組み合わせだったこともあり、使われているとされています。

なおなぜ11月をサムライというかは、11月を10と1に分解すると「十と一」になり合わせると「士」となり、「武士」の士から「サムライ」と読んでいます。

2月・4月・6月・9月・11月が小月になっている理由

現在の暦(カレンダー)では2月・4月・6月・9月・11月が31日無い月のため、小月と言えます。

31日ある1月・3月・5月・7月・8月・10月・12月は大月とも言えます。

でも2月は28日(閏年は29日)にしなくて、他の31日ある月を30日にして2月は標準で29日にして、閏年は30日にすれば差が無くて良いのに…なんて思ったりしませんか?

例えば奇数月を31日にして、奇数月を30日にして、2月だけ29日にすれば、365日になって覚えやすくなります。

でもそうなっていないのは古代ローマの皇帝が原因と言われています。

古代ローマではジュリアス・シーザーが作ったユリウス暦がありました。その頃のローマは月に自分の名前を入れるのが普通のことでした。

シーザーは7月に自分の名前である「July 」をつけました。

後の皇帝であるアウグストゥスが8月に自分の名前をつけた時に、シーザーより小さいのは嫌だ!といって、2月から1日とって、8月を31日にして9月以降の順番を入れかえろとしたと言われています。

つまり下記のように変化した訳です。

ユリウス暦(元) アウグストゥス変更
1月 31日 31日
2月 29日(閏年30日) 28日(閏年29日)
3月 31日 31日
4月 30日 30日
5月 31日 31日
6月 30日 30日
7月 31日 31日
8月 30日 31日
9月 31日 30日
10月 30日 31日
11月 31日 30日
12月 30日 31日

でも、これは後に否定されており、別の理由でそうなったと見るのが通説です。

ただアウグストゥスが変更したとされる大小暦がそのままグレゴリオ暦(現在の暦)でもそのまま使われています。

ただたまたま江戸時代のある年の覚え言葉が、そのままグレゴリオ暦と一致して、そのまま使われてきたと思うと偶然って凄いと思いますね。

以上、31日無い月の覚え方、にしむくさむらい(西向く士)はいつから言われていたのか?についてでした。

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