三元とは中国の道教における3つの行事「上元・中元・下元」の総称のことです。
日本に伝わって、日本の文化を習合して現在でも別の名前になって現在でもいろいろな形の風習として残っています。
また雑節として数えられることもあります。
三元について詳しく説明します。
特に中元は日本の文化・風習に大きく影響を与えました。
三元とは
- 読み方:さんげん
三元は、中国の道教の行事である「上元」「中元」「下元」をまとめて呼ぶ総称です。
道教は中国における伝統的な宗教であり、古代日本にもかなりの影響を与えています。
上元とは
- 読み方:じょうげん
旧暦の1月15日で、新暦であれば概ね2月上旬から3月上旬にとなります。
旧暦における15日は満月もしくは満月に近い状態で、新年になって初めての満月を指しており特別な日と考えられていました。
中国では元宵節、元夕などと言い、この日を中心に色取々の灯籠を灯して夜祭を行ったとされています。
日本においては小正月に影響を与えたとされています。
この日に小豆粥を食べると、その年の疫が避けられると言われています。
この風習は日本にも伝わり、小正月(1月15日のこと)に小豆粥を食べる地域があります。
満月の事を望・望月ということから旧暦15日は「望(もち)の日」とされ、望の日に食べる粥という言葉が転じて、小豆粥に餅を入れて食べる風習が行われている地域もありました。
ただ1月15日という日にちと小豆・餅ということから鏡開きと混同されることがありますが、一般的には関係ないとされているものの、1月15日に鏡開きをする地域では混同されていることもあります。
また小正月行事として東北地方を中心に旧暦の小正月前後に雪まつりを行う地域も多くなっています。
中元とは
- 読み方:ちゅうげん
三元の中でもっとも日本に影響を与えたのが中元です。
旧暦の7月15日で、新暦では8月上旬から9月中旬くらいになることが多くなっています。
元々道教では、中元は人間贖罪の日として、一日中火を焚いて神を祝う風習がありました。のちには、死者の罪を赦すことを願う日となったそうです。
中国仏教ではこの日に、祖先の霊を供養する盂蘭盆会(うらぼんえ)を催すことが普通で、これが日本に伝わり、日本の「お盆」になりました。
更に目上の方やお世話になった方などに贈り物をするお中元が生まれました。
旧暦から新暦になった後は多くの地域で8月15日前後をお盆とするようになりましたが、旧暦の7月15日だったり、新暦の7月15日にお盆行事を行う地域もあります。
お中元とお盆という年中行事が元は同じことから生まれたということはあまり知られていませんし、お中元は地域によっていつまでに贈るものという慣習があり、お盆と同じ日に贈るものという感覚が無くなっています。
下元とは
- 読み方:かげん
旧暦の10月15日で、新暦なら11月上旬から12月上旬くらいになることが多くなっています。
古代中国においては先祖の霊を祀る行事でしたが、後に物忌みを行い経典を読み、災厄を逃れるよう祈る日となりました。
日本においては下元が元となっている行事は明確にはなっていませんが、各地で行われる収穫祭は、下元が元になっていることが多いとされています。
十日夜(とおかんや・とおかや)や亥の日と呼ばれる行事が、それに当たると言われることがあります。
もっとも収穫祭というものは自然的に発生するものであり、世界中で11月頃に行われているので、全く関係ない収穫祭もあると思います。
同じ頃に行われる海外の収穫祭では、ハロウィンもありますし、ボジョレー・ヌーヴォーも一種の収穫祭です。
三元(上元・中元・下元)に関すること
三元(上元・中元・下元)に関することを記していきます。
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