立冬は、例年11月7日ころに訪れる二十四節気の19番目の暦で、十月節とも言われています。
「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と暦便覧には記されており、秋が極まり冬の気配が立ち始める日とされています。
立春や立秋に比べて馴染みは薄い言葉ですが、立冬について説明します。
立冬とは?
立冬は、二十四節気において19番目に配置されています。太陽黄経が225度の時です。
と書いてもわかりにくいですよね。
立冬には大きく分けて3つの意味があります。
天文学的な立冬
立冬とは太陽黄経が225度の時と説明されますが、どういう意味かと言えばまず下記の図を見てください。
地球を丸い球体の中心に置いたと考えて下さい。
この球体を天球と良い、天球には太陽が通る道が出来ます。この道を黄道と言います(正確には人の目で見て太陽が通る道)。
そして自転軸に対して地球の中心から直角(垂直)にした面を天球の描いたのが「天の赤道」です。
この黄道と天の赤道が交わる瞬間が年に2回あります。南側から北側に交わる日を春分、北側から南側に交わるのが秋分となります。
春分の日は太陽黄経が0度となり、夏至が90度・秋分が180度・冬至が270度です。
秋分から冬至のちょうど中間で、太陽黄経度が225度となります。
天文学的に立冬の時間(瞬間)は決められています。
時間は国で違うため、立冬の日や時間も異なってきます。下記は世界時と日本での立冬の日と時間を2000年から2050年まで表したものです。
年 | 世界時の日 | 世界時 | 日本の日 | 日本での時間 |
2000年 | 11月7日 | 2:48 | 11月7日 | 11:48 |
2001年 | 11月7日 | 8:37 | 11月7日 | 17:37 |
2002年 | 11月7日 | 14:22 | 11月7日 | 23:22 |
2003年 | 11月7日 | 20:13 | 11月8日 | 5:13 |
2004年 | 11月7日 | 1:59 | 11月7日 | 10:59 |
2005年 | 11月7日 | 7:42 | 11月7日 | 16:42 |
2006年 | 11月7日 | 13:35 | 11月7日 | 22:35 |
2007年 | 11月7日 | 19:24 | 11月8日 | 4:24 |
2008年 | 11月7日 | 1:11 | 11月7日 | 10:11 |
2009年 | 11月7日 | 6:56 | 11月7日 | 15:56 |
2010年 | 11月7日 | 12:42 | 11月7日 | 21:42 |
2011年 | 11月7日 | 18:35 | 11月8日 | 3:35 |
2012年 | 11月7日 | 0:26 | 11月7日 | 9:26 |
2013年 | 11月7日 | 6:14 | 11月7日 | 15:14 |
2014年 | 11月7日 | 12:07 | 11月7日 | 21:07 |
2015年 | 11月7日 | 17:59 | 11月8日 | 2:59 |
2016年 | 11月6日 | 23:48 | 11月7日 | 8:48 |
2017年 | 11月7日 | 5:38 | 11月7日 | 14:38 |
2018年 | 11月7日 | 11:32 | 11月7日 | 20:32 |
2019年 | 11月7日 | 17:24 | 11月8日 | 2:24 |
2020年 | 11月6日 | 23:14 | 11月7日 | 8:14 |
2021年 | 11月7日 | 4:59 | 11月7日 | 13:59 |
2022年 | 11月7日 | 10:45 | 11月7日 | 19:45 |
2023年 | 11月7日 | 16:35 | 11月8日 | 1:35 |
2024年 | 11月6日 | 22:20 | 11月7日 | 7:20 |
2025年 | 11月7日 | 4:04 | 11月7日 | 13:04 |
2026年 | 11月7日 | 9:51 | 11月7日 | 18:51 |
2027年 | 11月7日 | 15:38 | 11月8日 | 0:38 |
2028年 | 11月6日 | 21:26 | 11月7日 | 6:26 |
2029年 | 11月7日 | 3:16 | 11月7日 | 12:16 |
2030年 | 11月7日 | 9:07 | 11月7日 | 18:07 |
2031年 | 11月7日 | 15:04 | 11月8日 | 0:04 |
2032年 | 11月6日 | 20:53 | 11月7日 | 5:53 |
2033年 | 11月7日 | 2:40 | 11月7日 | 11:40 |
2034年 | 11月7日 | 8:32 | 11月7日 | 17:32 |
2035年 | 11月7日 | 14:22 | 11月7日 | 23:22 |
2036年 | 11月6日 | 20:13 | 11月7日 | 5:13 |
2037年 | 11月7日 | 2:03 | 11月7日 | 11:03 |
2038年 | 11月7日 | 7:49 | 11月7日 | 16:49 |
2039年 | 11月7日 | 13:41 | 11月7日 | 22:41 |
2040年 | 11月6日 | 19:28 | 11月7日 | 4:28 |
2041年 | 11月7日 | 1:12 | 11月7日 | 10:12 |
2042年 | 11月7日 | 7:06 | 11月7日 | 16:06 |
2043年 | 11月7日 | 12:54 | 11月7日 | 21:54 |
2044年 | 11月6日 | 18:40 | 11月7日 | 3:40 |
2045年 | 11月7日 | 0:28 | 11月7日 | 9:28 |
2046年 | 11月7日 | 6:13 | 11月7日 | 15:13 |
2047年 | 11月7日 | 12:06 | 11月7日 | 21:06 |
2048年 | 11月6日 | 17:55 | 11月7日 | 2:55 |
2049年 | 11月6日 | 23:37 | 11月7日 | 8:37 |
2050年 | 11月7日 | 5:32 | 11月7日 | 14:32 |
上記のように立冬の時間は決まっているものの、他の天体の影響を受けてごく僅かにズレることもあります。そのため、毎年2月1日に国立天文台が翌年度の春分の日付や二十四節気、立冬の日付を発表しています。
暦・二十四節気における立冬
天文学的な立冬は瞬間ですが暦や二十四節気における「立冬」は1日もしくは、特定の期間のことを指しています。
- 2021年は11月7日から11月21日
- 2022年は11月7日から11月21日
- 2023年は11月8日から11月21日
- 2024年は11月7日から11月21日
- 2025年は11月7日から11月21日
天文学的な立冬の時から黄道の角度で15度太陽が移動した時が「小雪」になるため、その前日までの期間をとしている訳です。
季節としての立冬
立冬とは十月節とも言われます。
二十四節気は1つが概ね15日間で2つ合わせると約30日になり、2つの組み合わせで月を表すようことがあり、二十四節気で決める月を1月節、2月中というように「節月」と言います。
前半は節、後半が中と表します。
主に暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)で今でも使うことがあります。
二十四節気において、立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒は冬と決まっており、冬を表す言葉にもなっています。
立冬としての行事・風習・イベント
立冬としての行事・風習・イベントは特にありません。冬至のようにかぼちゃを食べるというような特定のものを食べるということもありません。
エアコン暖房の日
ただ日本冷凍空調工業会では「立冬の日」を「エアコン暖房の日」と定めています。なお立夏は「エアコンの日」となっています。
あられ・おせんべいの日
また全国米菓工業組合が「立冬の日」を「あられ・おせんべいの日」に定めています。暖かい部屋であられやおせんべいを食べながら家族団らんを楽しんで欲しいということで定めたそうです。
感染症に備える日
公益財団法人日本ヘルスケア協会が「立冬の日」を「感染症に備える日」と定めています。免疫機能を正常に働かせ、その状態を維持する「免疫ケア」を啓発することが目的とのことです。新型コロナウイルス感染症のパンデミックの経験を未来に伝え、健康でいきいきとした社会を実現したいとの想いが込められているそうです。
鍋と燗の日
日本を代表する酒造会社各社で結成された「日本酒がうまい!推進委員会」が制定しました。
一家団らんの中心にある鍋と、その傍らに置かれた燗酒、この日本らしい古き良き風習をあらためて見直して、温かい鍋とともに、温かい日本酒を愉しむ機会を広めるのが目的です。
夜なきうどんの日
全国で讃岐釜揚げうどんの「丸亀製麺」を展開する株式会社トリドールホールディングスが制定しました。
寒さが本格化する冬の夜にうどんを食べることで身体をあたためる「夜なきうどん」という食文化、習慣を伝えていくのが目的です。
立冬はとんかつの日
愛知県名古屋市に店舗を構え、揚げたてのとんかつを特製ソースだけでなく岩塩や味噌ダレで味わうことが出来るその美味しさで人気のとんかつ店「とんかつ比呂野」を経営する株式会社比呂野が制定しました。
夏の暑さに負けないようにと「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣に習い、毎年、寒さが本格化してくる立冬にはとんかつを食べて活力(かつりょく)をつけ、冬の寒さを乗り切ってもらおうとの同店の想いが込められているそうです。
「立冬はとんかつ」という新しい食文化の提案の日です。
ココアの日
1919年(大正8年)に日本で初めてカカオ豆からの一貫ライン製造による飲用ココアを発売した森永製菓株式会社が制定しました。
同社のココアの美味しさをより多くの人に味わってもらうのが目的です。
日付はココアは体が温まる飲み物として11月上旬から飲む機会が増え始めることから、冬の気配を感じ始める立冬を記念日としたそうです。
湯たんぽの日
愛知県名古屋市に本社を置き、本体が立つ「立つ湯たんぽ」などの製造販売で知られるタンゲ化学工業株式会社が制定しました。
室町時代から使用され、手軽に体や足を温められる「湯たんぽ」の文化を幅広い年齢層の人に知ってもらい、もっと「湯たんぽ」を愛用してもらうのが目的です。
日付は「湯たんぽ」の温かさが嬉しくなる頃の二十四節気のひとつ「立冬」としたそうです。
また「立冬」の「立」から同社の「立つ湯たんぽ」の「立つ」にもちなんでいます。
立冬に関すること
立冬に関するさまざまなことを追加していきます。
立冬の季節性
立冬からは暦の上では冬です。
立冬の頃になると寒くなっては来ますが、まだ冬というイメージは東京よりも西ではあまり無いのではないでしょうか?
そもそも二十四節気が登場した中国の内陸部の様子を伝えている言葉なので、日本の気候とは一致しないことが多くなっています。
ただ北東北や北海道では積雪も見られるようになり、まさに冬という時期になります。
立冬の七十二候
二十四節気の1つを更に3つに分けている七十二候
立冬の七十二候は下記のものです。
つばきなのにサザンカ、金盞花なのにスイセンと今の感覚だとわかりにくい名称で花が使われているものが2つあります。
立冬に関するリンク
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