友引はカレンダーにもよく記されている暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項のこと)です。
実際にどういう運勢・吉凶となるのか、冠婚葬祭においてどう考えれば良いのかも詳しく解説します。
基本的には吉日ですが、昼のみ凶となっています。
友引の読み方と意味
友引の読み方「ともびき」一部「ゆういん」
友引の読み方は「ともびき」ですが、一部で「ゆういん」と言われることがあります。
元々の意味は「勝負の決着がつかない良くも悪くもないとされる日」であり、「共引」(共に引き分けとする)の意味でした。
陰陽道で、ある日ある方向に事を行うと災いが友に及ぶとする「友引日」というものがあり、これが六曜の友引と混同され、また読みも「ともびき」ということから、いつのまにか「友引」と書かれるようになっていました。
中国語の「留引」を「ゆういん」と読むことがルーツとなっており、訓読みとなって「ともびき」と当てはめているので、一部で「ゆういん」と言うこともあります。
友引は吉日・正午だけが凶
友引は勘違いから出来たものですが、基本的には「吉日」(良い日)とされています。
ただし午の刻(11時から13時)だけは凶とされています。
赤口という六曜もありますが赤口は基本的に「凶日」(悪い日)とされていますが、午の刻(11時から13時)だけは吉とされています。
友引が1日になる旧暦の月
六曜は旧暦の月の1日に6つの六曜のどれかが配置され「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の順番で繰り返されます。
旧暦の2月と8月の1日が友引と決まっており、今も昔(江戸時代)も変わっていません。
ただし日本に六曜が入ってきた時は、旧暦の2月8月の1日は「流連」と言う言葉でした。
流連は「遊興にふけって家に帰るのを忘れること。また、夢中になること。」という意味で「流連荒亡」(りゅうれん-こうぼう)という熟語で使われることがあります。
「流連荒亡」の意味は「遊興や酒色にふけって家庭を顧みず、仕事も放棄して無為な暮らしを送ること。」とされており、あまり良い意味ではありませんでした。
実際には2月8月の1日の六曜は下記のように遷移しています。
出典や時代 | 時代 | 年代 | 六曜の言い方 | 2月・8月 1日の六曜 |
事林広記 | 中国 宋時代 |
960~ 1279年 |
六壬時課 | 留連 |
万宝全書 | 中国 明時代 |
1368~ 1644年 |
六壬掌訣 | 留連 |
通徳類情書 | 中国 清時代 |
1644~ 1912年 (1772年) |
小六壬 | 空亡・速喜 |
頭書長暦 | 貞享5年 | 1688年 | 大安・即吉 日取りのこと |
立連 |
和漢三才図絵 | 正徳年間 | 1710年頃 | 六壬時課 | 留連 |
永暦雑書 | 天保6年 | 1825年 | 壬時のうらなひ | 留連 |
天保大雑書 | 1831~ 1845年 |
– | 友引 | |
安政雑書 | 1855~ 1860年 |
孔明六曜日繰 | 友引 | |
明治以降 | 1868年~ | 六曜・六輝 | 友引 |
*出典「現代 こよみ読み解き辞典」(柏書房 岡田 芳朗・阿久根末忠)
六曜の元は日本に入って全く別のものになったと考えると、結構いい加減なものであり、運勢・占い・吉凶なんて、縁起を担ぐのに少し使うくらいで良いと思えてきませんか?
友引の冠婚葬祭や買物・契約の吉凶や運勢
友引の冠婚葬祭や気になる買物、契約の吉凶・運勢について説明します。
成人式や七五三等の年齢の節目の祭り事
冠婚葬祭の「冠」は成人式を指しますが、七五三等の年齢による節目の祭り事も含めることがあります。
友引における成人式や七五三については、11時から13時を除けば問題なしとされています。
成人式は1月の第2月曜日と決まっており、地域によっては前日の日曜に行うこともあり、日付の変更は出来ません。
ただ出席出来ないから写真だけでも撮ろうということで、その日が友引なら午前中か14時過ぎに予約を入れておくのが良いのではないでしょうか?
友引における結婚式・入籍
結婚式や入籍において「友引」は吉とされており、人気の六曜です。
ただ正午から始めるのだけはやめておいた方が良さそうです。
友引における葬儀やお通夜
お通夜はそれほど気にされていませんが、お葬式に関しては、嫌がる方が多いのでやめておくのが無難です。
葬儀を行うと、友が冥土に引き寄せられる(つまり死ぬ)との言い伝えがあり、友引の日は葬儀場や火葬場が休業となっていることがあるので、行いにくい状況にもなっています。
ただ仏教における葬儀は、六曜と一切関係無いため、本来は気にしなくても良いものです。
友引における祭り事(法事や法要等)
冠婚葬祭の「祭」は先祖の霊をまつる行事全般をさします。法事・法要がそれにあたります。
友引に法要や法事は良いのか?と言えば、そもそも仏教の様式として法事・法要をあげるのであれば、先述した通り仏教と六曜は全く関係無いため、気にすることはありません。
だから友引でも法要・法事は行って問題ありません。
ただ高齢の方を中心に嫌がる方がいるのも確かです。
せっかく祖先の霊をまつるのに嫌がる人がいるのであれば、避ける方が良いでしょう。
友引における納車や引越し
納車や引越しに関しては、友引は基本的に「吉日」なので問題ありません。ただし午の刻(11時から13時)だけは縁起を担ぐ意味で避ける方が良いかもしれません。
また引越しに関しては、新居に友を招くということで縁起が比較的良いものです。
以上、友引についてでした。
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