金盞香(きんせんかさく)は、七十二候の第五十七候の季節(略本暦による呼び名)です。
立冬の末候となり、「水仙の花が咲く」という意味になります。
金盞香について詳しく説明します。
金盞香の読み方と詳しい意味
金盞香の読み方は下記の通りです。
- きんせんかさく
- きんせんかさく
「金盞」は「きんせん」と通常では読みます。「きんせんか 咲く」と表現されている事から「キンセンカ(金盞花)」を想像すると思いますが、金盞香の「キンセンカ」はスイセン(水仙)の花を指しています。
ここで「金盞」は「金銭銀台」を指しています。金盞銀台とは、スイセンの中央にある黄色い部分のことです。
上記写真はスイセンの花ですが、周りに白い花びらがあり中央に黄色の花弁があります。
金盞は黄金の「さかずき」のこと(盞はさかずきと読む)で、副花冠を持つスイセンの異称にもなっています。
スイセンの開花時期は種類や地域によって異なりますが概ね11月中旬から4月に咲きます。
スイセンの花が咲いてくる頃を表現しています。
この七十二候で凄いなと思うのが咲くを「香」と表現していることです。
金盞香-立冬の末候の時期
金盞香の時期・期間は概ね11月17日から11月21日ころです。
正確な期間は下記の通りです。
- 2021年:11月17日~11月21日
- 2022年:11月17日~11月21日
- 2023年:11月18日~11月21日
- 2024年:11月17日~11月21日
- 2025年:11月17日~11月21日
二十四節気は年によって期間が変わるため、七十二候もそれぞれ期間が年によって変化します。
同時期の中国(宣明暦)の七十二候の名称と意味
二十四節気・七十二候は元々中国で生まれたものです。二十四節気はほぼそのまま中国での書き方ですが、七十二候は中国のままだと意味が通じない部分や日本らしくない部分があり、江戸時代に入って渋川春海ら暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、「本朝七十二候」が作成されました。
現在では、1874年(明治7年)の「略本暦」に掲載された七十二候が主に使われています。
元々の中国(宣言暦)の七十二候は下記のようになっています。
- 名称:雉入大水為蜃 or 野雉入大水為蜃
- 意味:雉が海に入って大蛤になる
「やけい みずにいり おおはまぐりと なる」もしくは「きじ みずにいり おおはまぐりとなる」と読みます。
中国の故事から作られたと言われる「雉入大水為蜃」、キジがハマグリになる訳がありませんが、そう例えられていた時代があったのでしょう。
中国(宣明暦)の七十二候の寒露の次候では「雀入大水為蛤」というものがあり、スズメが小ハマグリになると書かれています。
スズメは小ハマグリ、キジは大ハマグリとなると中国故事ではなっています。
金盞香に関すること
金盞香に関することを紹介します。
金盞香の季節感
金盞香は100年以上前に考えられたもので、今の季節感にあっているかとと言えば概ねあっています。
ただじっくりとスイセンの花を見る機会は少なくなってきているようにも感じます。
金盞香に関するリンク
金盞香に関するリンクです。
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