寒露は、例年10月8日もころに訪れる二十四節気の17番目の暦で、九月節とも言われています。
「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と暦便覧には記されており、露が冷気によって凍りそうになるころとされています。
あまり使われない言葉ですが、寒露について説明します。
寒露とは?
寒露は、二十四節気において2番目に配置されています。太陽黄経が195度の時です。
と書いてもわかりにくいですよね。
寒露には大きく分けて3つの意味があります。
天文学的な寒露
寒露とは太陽黄経が195度の時と説明されますが、どういう意味かと言えばまず下記の図を見てください。
地球を丸い球体の中心に置いたと考えて下さい。
この球体を天球と良い、天球には太陽が通る道が出来ます。この道を黄道と言います(正確には人の目で見て太陽が通る道)。
そして自転軸に対して地球の中心から直角(垂直)にした面を天球の描いたのが「天の赤道」です。
この黄道と天の赤道が交わる瞬間が年に2回あります。南側から北側に交わる日を春分、北側から南側に交わるのが秋分となります。
春分の日は太陽黄経が0度となり、夏至が90度・秋分が180度・冬至が270度です。
寒露は秋分から冬至の間であり秋分の次で、太陽黄経が195度となります。
天文学的に寒露の時間(瞬間)は決められています。
時間は国で違うため、寒露の日や時間も異なってきます。下記は世界時と日本での寒露の日と時間を2000年から2050年まで表したものです。
年 | 世界時の日 | 世界時 | 日本の日 | 日本での時間 |
2000年 | 10月7日 | 23:38 | 10月8日 | 8:38 |
2001年 | 10月8日 | 5:25 | 10月8日 | 14:25 |
2002年 | 10月8日 | 11:09 | 10月8日 | 20:09 |
2003年 | 10月8日 | 17:01 | 10月9日 | 2:01 |
2004年 | 10月7日 | 22:49 | 10月8日 | 7:49 |
2005年 | 10月8日 | 4:33 | 10月8日 | 13:33 |
2006年 | 10月8日 | 10:21 | 10月8日 | 19:21 |
2007年 | 10月8日 | 16:12 | 10月9日 | 1:12 |
2008年 | 10月7日 | 21:57 | 10月8日 | 6:57 |
2009年 | 10月8日 | 3:40 | 10月8日 | 12:40 |
2010年 | 10月8日 | 9:26 | 10月8日 | 18:26 |
2011年 | 10月8日 | 15:19 | 10月9日 | 0:19 |
2012年 | 10月7日 | 21:12 | 10月8日 | 6:12 |
2013年 | 10月8日 | 2:58 | 10月8日 | 11:58 |
2014年 | 10月8日 | 8:48 | 10月8日 | 17:48 |
2015年 | 10月8日 | 14:43 | 10月8日 | 23:43 |
2016年 | 10月7日 | 20:33 | 10月8日 | 5:33 |
2017年 | 10月8日 | 2:22 | 10月8日 | 11:22 |
2018年 | 10月8日 | 8:15 | 10月8日 | 17:15 |
2019年 | 10月8日 | 14:05 | 10月8日 | 23:05 |
2020年 | 10月7日 | 19:55 | 10月8日 | 4:55 |
2021年 | 10月8日 | 1:39 | 10月8日 | 10:39 |
2022年 | 10月8日 | 7:22 | 10月8日 | 16:22 |
2023年 | 10月8日 | 13:15 | 10月8日 | 22:15 |
2024年 | 10月7日 | 19:00 | 10月8日 | 4:00 |
2025年 | 10月8日 | 0:41 | 10月8日 | 9:41 |
2026年 | 10月8日 | 6:29 | 10月8日 | 15:29 |
2027年 | 10月8日 | 12:17 | 10月8日 | 21:17 |
2028年 | 10月7日 | 18:08 | 10月8日 | 3:08 |
2029年 | 10月7日 | 23:57 | 10月8日 | 8:57 |
2030年 | 10月8日 | 5:44 | 10月8日 | 14:44 |
2031年 | 10月8日 | 11:42 | 10月8日 | 20:42 |
2032年 | 10月7日 | 17:29 | 10月8日 | 2:29 |
2033年 | 10月7日 | 23:13 | 10月8日 | 8:13 |
2034年 | 10月8日 | 5:06 | 10月8日 | 14:06 |
2035年 | 10月8日 | 10:56 | 10月8日 | 19:56 |
2036年 | 10月7日 | 16:48 | 10月8日 | 1:48 |
2037年 | 10月7日 | 22:36 | 10月8日 | 7:36 |
2038年 | 10月8日 | 4:20 | 10月8日 | 13:20 |
2039年 | 10月8日 | 10:16 | 10月8日 | 19:16 |
2040年 | 10月7日 | 16:04 | 10月8日 | 1:04 |
2041年 | 10月7日 | 21:45 | 10月8日 | 6:45 |
2042年 | 10月8日 | 3:39 | 10月8日 | 12:39 |
2043年 | 10月8日 | 9:26 | 10月8日 | 18:26 |
2044年 | 10月7日 | 15:12 | 10月8日 | 0:12 |
2045年 | 10月7日 | 20:59 | 10月8日 | 5:59 |
2046年 | 10月8日 | 2:41 | 10月8日 | 11:41 |
2047年 | 10月8日 | 8:36 | 10月8日 | 17:36 |
2048年 | 10月7日 | 14:25 | 10月7日 | 23:25 |
2049年 | 10月7日 | 20:03 | 10月8日 | 5:03 |
2050年 | 10月8日 | 1:59 | 10月8日 | 10:59 |
上記のように寒露の時間は決まっているものの、他の天体の影響を受けてごく僅かにズレることもあります。そのため、毎年2月1日に国立天文台が翌年度の春分の日付や二十四節気、寒露の日付を発表しています。
暦・二十四節気における寒露
天文学的な寒露は瞬間ですが暦や二十四節気における「寒露」は1日もしくは、特定の期間のことを指しています。
- 2021年は10月8日から10月22日
- 2022年は10月8日から10月22日
- 2023年は10月8日から10月23日
- 2024年は10月8日から10月22日
- 2025年は10月8日から10月22日
天文学的な寒露の時から黄道の角度で15度太陽が移動した時が「霜降」になるため、その前日までの期間をとしている訳です。
月・季節としての寒露
寒露は九月節とも言われます。
二十四節気は1つが概ね15日間で2つ合わせると約30日になり、2つの組み合わせで月を表すようことがあり、二十四節気で決める月を1月節、2月中というように「節月」と言います。
前半は節、後半が中と表します。
主に暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)で今でも使うことがあります。
二十四節気において、立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降は秋と決まっており、秋を表す言葉にもなっています。
寒露としての行事・風習・イベント
寒露としての行事や風習は特にありません。
ただ江戸時代の日本であれば、農家は収穫の時・収穫は終わった頃です。
そのため、収穫祭としてのお祭り・秋祭りが多い時期となっています。
体育の日・スポーツの日
寒露・二十四節気には関係ありませんし、今でこそ体育の日は10月第2月曜日になりましたが、以前は10月10日でした。
*体育の日はスポーツの日に名称がかわりました。
10月10日は晴れの特異日として、晴れることが多く、気候的にも過ごしやすい日だったことがわかります。寒露の時期は過ごしやすい時期だったと言えます。
なお2021年は特別に7月23日がスポーツの日となっています。
寒露に関すること
寒露に関するさまざまなことを追加していきます。
寒露の季節性
寒露は露が冷気によって凍りそうになるころ、雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き始めるころ、とされています。
しかし露(草花につく水滴)が凍りそうになるほど寒い訳では無いですよね。
そもそも二十四節気が登場した中国の内陸部の様子を伝えている言葉なので、日本の気候とは一致しないことが多くなっています。
寒露の七十二候
二十四節気の1つを更に3つに分けている七十二候
寒露の七十二候は下記のものです。
寒露に関するリンク
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