秋分(しゅうぶん)は、例年9月23日ころに訪れる二十四節気の16番目の暦で、八月中とも言われています。
「陰陽の中分なれば也」と暦便覧には記されており、日中(日の出から日没)が同じ長さの日と言われています(実際には日中の方が14分ほど長い)。
国民の祝日にもなる秋分の日・秋分について説明します。
秋分とは?
秋分は、二十四節気において16番目に配置されています。太陽黄経が180度の時です。
と書いてもわかりにくいですよね。
秋分には大きく分けて4つの意味があります。
天文学的な秋分
秋分とは太陽黄経が180度の時と説明されますが、どういう意味かと言えばまず下記の図を見てください。
地球を丸い球体の中心に置いたと考えて下さい。
この球体を天球と良い、天球には太陽が通る道が出来ます。この道を黄道と言います(正確には人の目で見て太陽が通る道)。
そして自転軸に対して地球の中心から直角(垂直)にした面を天球の描いたのが「天の赤道」です。
この黄道と天の赤道が交わる瞬間が年に2回あります。南側から北側に交わる日を春分、北側から南側に交わるのが秋分となります。
春分の日は太陽黄経が0度となり、夏至が90度・秋分が180度・冬至が270度です。
春分の日から180度太陽の位置が変わったと言えます(実際には地球が変わったのですが)。
天文学的に秋分の時間(瞬間)は決められています。
時間は国で違うため、秋分の日や時間も異なってきます。下記は世界時と日本での秋分の日と時間を2000年から2050年まで表したものです。
年 | 世界時の日 | 世界時 | 日本の日 | 日本での時間 |
2000年 | 9月22日 | 17:28 | 9月23日 | 2:28 |
2001年 | 9月22日 | 23:04 | 9月23日 | 8:04 |
2002年 | 9月23日 | 4:55 | 9月23日 | 13:55 |
2003年 | 9月23日 | 10:47 | 9月23日 | 19:47 |
2004年 | 9月22日 | 16:30 | 9月23日 | 1:30 |
2005年 | 9月22日 | 22:23 | 9月23日 | 7:23 |
2006年 | 9月23日 | 4:03 | 9月23日 | 13:03 |
2007年 | 9月23日 | 9:51 | 9月23日 | 18:51 |
2008年 | 9月22日 | 15:45 | 9月23日 | 0:45 |
2009年 | 9月22日 | 21:19 | 9月23日 | 6:19 |
2010年 | 9月23日 | 3:09 | 9月23日 | 12:09 |
2011年 | 9月23日 | 9:05 | 9月23日 | 18:05 |
2012年 | 9月22日 | 14:49 | 9月22日 | 23:49 |
2013年 | 9月22日 | 20:44 | 9月23日 | 5:44 |
2014年 | 9月23日 | 2:29 | 9月23日 | 11:29 |
2015年 | 9月23日 | 8:21 | 9月23日 | 17:21 |
2016年 | 9月22日 | 14:21 | 9月22日 | 23:21 |
2017年 | 9月22日 | 20:02 | 9月23日 | 5:02 |
2018年 | 9月23日 | 1:54 | 9月23日 | 10:54 |
2019年 | 9月23日 | 7:50 | 9月23日 | 16:50 |
2020年 | 9月22日 | 13:30 | 9月22日 | 22:30 |
2021年 | 9月22日 | 19:21 | 9月23日 | 4:21 |
2022年 | 9月23日 | 1:03 | 9月23日 | 10:03 |
2023年 | 9月23日 | 6:50 | 9月23日 | 15:50 |
2024年 | 9月22日 | 12:43 | 9月22日 | 21:43 |
2025年 | 9月22日 | 18:19 | 9月23日 | 3:19 |
2026年 | 9月23日 | 0:05 | 9月23日 | 9:05 |
2027年 | 9月23日 | 6:01 | 9月23日 | 15:01 |
2028年 | 9月22日 | 11:44 | 9月22日 | 20:44 |
2029年 | 9月22日 | 17:38 | 9月23日 | 2:38 |
2030年 | 9月22日 | 23:26 | 9月23日 | 8:26 |
2031年 | 9月23日 | 5:14 | 9月23日 | 14:14 |
2032年 | 9月22日 | 11:10 | 9月22日 | 20:10 |
2033年 | 9月22日 | 16:51 | 9月23日 | 1:51 |
2034年 | 9月22日 | 22:38 | 9月23日 | 7:38 |
2035年 | 9月23日 | 4:38 | 9月23日 | 13:38 |
2036年 | 9月22日 | 10:22 | 9月22日 | 19:22 |
2037年 | 9月22日 | 16:12 | 9月23日 | 1:12 |
2038年 | 9月22日 | 22:01 | 9月23日 | 7:01 |
2039年 | 9月23日 | 3:48 | 9月23日 | 12:48 |
2040年 | 9月22日 | 9:43 | 9月22日 | 18:43 |
2041年 | 9月22日 | 15:25 | 9月23日 | 0:25 |
2042年 | 9月22日 | 21:10 | 9月23日 | 6:10 |
2043年 | 9月23日 | 3:05 | 9月23日 | 12:05 |
2044年 | 9月22日 | 8:46 | 9月22日 | 17:46 |
2045年 | 9月22日 | 14:31 | 9月22日 | 23:31 |
2046年 | 9月22日 | 20:20 | 9月23日 | 5:20 |
2047年 | 9月23日 | 2:06 | 9月23日 | 11:06 |
2048年 | 9月22日 | 7:59 | 9月22日 | 16:59 |
2049年 | 9月22日 | 13:41 | 9月22日 | 22:41 |
2050年 | 9月22日 | 19:27 | 9月23日 | 4:27 |
上記のように秋分の時間は決まっているものの、他の天体の影響を受けてごく僅かにズレることもあります。そのため、毎年2月1日に国立天文台が翌年度の春分の日付や二十四節気、秋分の日付を発表しています。
暦・二十四節気における秋分
天文学的な秋分は瞬間ですが暦や二十四節気における「秋分」は1日もしくは、特定の期間のことを指しています。
- 2021年は9月23日から10月7日
- 2022年は9月23日から10月7日
- 2023年は9月23日から10月7日
- 2024年は9月22日から10月7日
- 2025年は9月23日から10月7日
天文学的な秋分の時から黄道の角度で15度太陽が移動した時が「寒露」になるため、その前日までの期間をとしている訳です。
月・季節としての秋分
秋分は八月中とも言われます。
二十四節気は1つが概ね15日間で2つ合わせると約30日になり、2つの組み合わせで月を表すようことがあり、二十四節気で決める月を1月節、2月中というように「節月」と言います。
前半は節、後半が中と表します。
主に暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)で今でも使うことがあります。
二十四節気において、立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降は秋と決まっており、秋を表す言葉にもなっています。
国民の祝日としての秋分の日
秋分でもっとも親しまれているのが国民の祝日である「秋分の日」でしょう。
春分の日と秋分の日だけが、日にちや曜日周りが固定されておらず、天文学的な見地から決められています。
2012年(平成24年)は9月22日が秋分の日でしたが、9月23日以外が秋分の日になったのは、1979年(昭和54年)で実に33年ぶりでした。
ただそれ以降、2016年・2020年・2024年・2028年と閏年は9月22日が現時点では秋分の日となっています。
なお1979年の秋分の日は9月24日でした。再び9月24日が秋分の日になるのは2103年と言われています。
秋分としての行事・風習・イベント
秋分ならではの行事・風習・イベントはいくつかあります。
お彼岸としての秋分
秋分はお彼岸の期間を決める場合にも使われています。
春分の日・秋分の日を中日(なかび)として、前後各3日間を合わせた7日間(年間で14日間)がお彼岸とされています。
1 | 彼岸の 期間 |
彼岸入り |
2 | ||
3 | ||
4 | 秋分 お彼岸の中日 |
|
5 | ||
6 | ||
7 | 彼岸明け |
「寒さ暑さも彼岸まで」という慣用句もありますが、天文学的に見ても日中の長さが入れ替わる日でもあるため、上手く出来た慣用句だと思います。
お彼岸において、供え物として作られる「ぼたもち」と「おはぎ」は同じものです。
これらの名は、彼岸の頃に咲く牡丹(春)と萩(秋)に由来すると言われいます。そのため、春はぼたもち、秋はおはぎと言うという人もいます。
仏教としての秋分=お彼岸のお墓参り
お彼岸にはお墓参りをするという人も多いと思います。仏教では「秋季彼岸会」というものが行われ、お墓参りが年中行事として行われています。
神道としての秋分=社日・戌の日の参詣
秋分に最も近い戌の日は、社日として氏子が氏神たる神社に参詣して、収穫への感謝を祈るようになっていました(春分は、五穀豊穣)。
春分または秋分に最も近い戊(つちのえ)の日が社日となります。
ただし戊と戊のちょうど中間に春分日・秋分日が来る場合(つまり春分日・秋分日が癸(みずのと)の日となる場合)は、春分・秋分の瞬間が午前中ならば前の戊の日、午後ならば後の戊の日とします。またこのような場合は前の戊の日とする決め方もあります。
そのため白露内に社日が来ることもあれば、秋分内に社日が来ることがあります。
秋の社日は下記の日程になっています。
- 2021年:9月27日
- 2022年:9月22日(白露内)
- 2023年:9月27日
- 2024年:9月21日(白露内)
- 2025年:9月26日
また元々秋分の日は秋季皇霊祭が行われていました。
テニスの日
日本テニス協会や日本プロテニス協会、日本テニス事業協会などの団体が9月23日(秋分の日)をテニスを推進する日として、テニスの日に定めています。
気候的にテニスをするのに最適であること、多くの人がイベントに参加しやすい日であることから決められたそうです。
ロブサルツマン・パジャマの日
上質なルームウェアブランド「ロブサルツマン」を展開する株式会社ラビオワークスが制定しました。
快適な睡眠をとって免疫力を上げ、日々の健康のためにきちんとパジャマを着て寝てもらうのが目的です。
日付はこの頃から昼間と夜間の気温差が大きくなり、体調を崩して風邪にかかりやすくなるので、パジャマを着てぐっすりと眠る習慣をスタートさせるのにふさわしい季節の変わり目の「秋分の日」としたそうです。
夕陽の日
大阪府大阪市に事務局を置き、全国の夕陽を媒介とした思い出作りを目指している旅館・ホテルで構成する「夕陽と語らいの宿ネットワーク」が制定しました。
夕陽を眺めながら大切な人と語り合い、自らと自らを取り巻く人々に想いをめぐらして過ごす日とするのが目的です。
日付は「秋分の日」は先祖を敬い、亡くなった人をしのぶ日であり、西に沈む太陽を見てその美しさや奥深さを心に留めるのにふさわしい日との思いからとなっています。
お墓参りの日
全国の石材店・石材関連業者で組織される一般社団法人日本石材産業協会が制定しました。
お盆や春と秋の彼岸などにお墓参りをすることで、先祖代々に手を合わせる日本らしい文化を絶やすことなく未来へとつなげていきたいとの思いが込められているそうです。
日付は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことが趣旨とされ、国民の祝日に定められている「秋分の日」としたそうです。
酒風呂の日
四季の節目である春分、夏至、秋分、冬至に酒風呂に入り、健康増進をはかろうと長野県信濃町で銘酒「松尾」の蔵元を営む株式会社高橋助作酒造店の高橋邦芳氏が制定しました。
日付は湯で治すと書く「湯治」(とうじ)の語呂が、暦の二十四節気の「冬至」(とうじ)や、日本酒製造の責任者である「杜氏」(とうじ)を連想させることからとなっています。
秋分に関すること
秋分に関するさまざまなことを追加していきます。
秋分の日の雑学
よく昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなるとされるが、実際には昼の方が14分ほど長くなっています(日本の場合)。
これは赤道から離れれば離れるほど時間の差が大きくなります。
秋分の季節性
日本は四季のある国ですが、
そもそも二十四節気が登場した中国の内陸部の様子を伝えている言葉なので、日本の気候とは一致しないことが多くなっています。
秋分の七十二候
二十四節気の1つを更に3つに分けている七十二候
秋分の七十二候は下記のものです。
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