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先勝の吉凶(運勢)と冠婚葬祭の扱い・六曜の先勝について

先勝の吉凶(運勢)と冠婚葬祭の扱い・六曜の先勝について 六曜

先勝はカレンダーにもよく記されている暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項のこと)です。

実際にどういう運勢・吉凶となるのか、冠婚葬祭においてどう考えれば良いのかも詳しく解説します。

基本的には漢字の意味の通り「早く(先に)済ませてしまうことが良い」とされる日です。

先勝の読み方と意味

先勝の読み方「せんしょう」「さきかち」「せんかち」

先勝の読み方は「せんしょう」「さきかち」「せんかち」です。

せんずれば、すなわちかつ(先んずれば、すなわち勝つ)が元々の意味なので、せんかちが一番正しい読み方にも思えますが、特にどれが正解とは決まっていません。

他の六曜である「先負」も「せんぷ・せんふ・せんまけ・さきまけ」といろいろな言い方があります。

先勝は午前中が良い・午後が悪い

「先んずれば、すなわち勝つ」から午前中が吉、午後が凶という意味で判断されてきました。

でも、午前中は今の感覚で問題が無いのか?というと若干異なります。

江戸時代に流行した六曜ですが、江戸時代の時間は24分割の24時間制ではなく、12分割でした。

深夜0時は今と基本的には同じですが、前後1時間を「子の刻」としていたので23時から1時までとなっています。

そして午前中というのは子の時から丑の刻までであり今の時間で言えば「23時から翌日の13時まで」と考えるのが良いのではないでしょうか。

ただそれほど気にすることもなく、0時(深夜)から12時(正午)までが午前中、12時(正午)から0時(深夜)と判断して問題ありません。

そもそも六曜は伝わった時からいろいろと変化しており、今の六曜は明治になってからのものなので、それほど歴史はありませんから。

一部サイトで六曜の午前中は14時までと説明しているところもありますが、おそらくこれは凶の時間となる14時から18時の14時までを午前中だと勘違いしたものだと思われます。

「赤口」は午の刻(11時から13時)までが吉とされており、先勝の午前中は14時までと決めてしまうと矛盾が生じますからね。午の刻の前後で午前・午後を考えるのが正しいでしょう。

先勝が1日になる旧暦の月

六曜は旧暦の月の1日に6つの六曜のどれかが配置され「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の順番で繰り返されます。

旧暦の1月と7月の1日が先勝と決まっており、今も昔(江戸時代)も変わっていません。

ただし日本に六曜が入ってきた時は、旧暦の1月7月の1日は「大安」となっていました。

出典や時代 時代 年代 六曜の言い方 1月・7月
1日の六曜
事林広記 中国
宋時代
960~
1279年
六壬時課 大安
万宝全書 中国
明時代
1368~
1644年
六壬掌訣 大安
通徳類情書 中国
清時代
1644~
1912年
(1772年)
小六壬 小吉・留連
頭書長暦 貞享5年 1688年 大安・即吉
日取りのこと
大安
和漢三才図絵 正徳年間 1710年頃 六壬時課 大安
永暦雑書 天保6年 1825年 壬時のうらなひ 先勝
天保大雑書 1831~
1845年
先勝
安政雑書 1855~
1860年
孔明六曜日繰 先勝
明治以降 1868年~ 六曜・六輝 先勝

*出典「現代 こよみ読み解き辞典」(柏書房 岡田 芳朗・阿久根末忠)

日本に六曜が入ってきた以降で記録が残るものだと1688年の頭書長暦では旧暦の1月1日・7月1日には「大安」となっていました。1800年代に入ってから「先勝」に切り替わっています。

こう考えると、なんかコロコロと変わっていて、大丈夫かな?と思うかもしれませんが、運勢・占い・吉凶なんてそんなもので、縁起を担ぐのに少し使うくらいで良いと思えてきませんか?

先勝の冠婚葬祭や買物・契約の吉凶や運勢

先勝の冠婚葬祭や気になる買物、契約の吉凶・運勢について説明します。

成人式や七五三等の年齢の節目の祭り事

冠婚葬祭の「冠」は成人式を指しますが、七五三等の年齢による節目の祭り事も含めることがあります。

先勝における成人式や七五三については、午前中であれば問題なしとされています。

成人式は1月の第2月曜日と決まっており、地域によっては前日の日曜に行うこともあり、日付の変更は出来ません。

ただ出席出来ないから写真だけでも撮ろうということで、その日が先勝なら午前中に予約を入れておくのが良いのではないでしょうか?

先勝における結婚式・入籍

結婚式や入籍日はできれば「大安」や「友引」にしたいと考えている人も多いでしょう。

でも結婚式場は大安や友引だと高くなっていたり予約を取りにくくなっています。入籍にしても希望の日が先勝になってしまうことも。

例えば11月22日(いい夫婦の日)に入籍したいけど先勝だったなんてこともありえます。

先勝は午前中であれば吉日なので、結婚式・披露宴・入籍も午前中に行うのであれば問題ありません。開始時刻が正午以前なら大丈夫です。

どうしても夜に入籍になってしまう場合は18時以降の夜間受付を利用されるのがおすすめです。

先勝における葬儀やお通夜

葬儀はほぼ仏教葬儀になると思います。六曜は仏教とは本来全く関係ないものなので、気にすることはありません。

ただ年配の方で気にされる方がいるので、午前中の方が良いかもしれません。

ただしお通夜は先勝にはしない方が良いと言われています。

というのも、旧暦の月が変わる場合は別ですが、先勝の翌日は友引です。

友引は年配の方を中心に葬儀を行うのを嫌がります。何より葬儀場・火葬場が友引の日は休館日・休日となっている場合もあって、そもそも葬儀が出来ないこともあります。

だから先勝にお通夜にしてしまうとかなりの高確率で友引が葬儀になってしまうため、先勝にお通夜を行うのはやめておくのが無難です。

なお旧暦の月末が先勝だった場合、翌日は友引にならないことが多くなっています(旧暦の1月末および7月末の先勝は除く)。

先勝における祭り事(法事や法要等)

冠婚葬祭の「祭」は先祖の霊をまつる行事全般をさします。法事・法要がそれにあたります。

法事・法要を先勝に行っても良いか?というとお葬式同様全く問題ありません。

法事・法要はほとんどの場合仏教方式で行うので、そもそも六曜とは関係ありません。そしてお寺の方に聞いてもらえばわかりますが、全く気にすることでは無いと言われます。

キリスト教であればもっと関係ないので気にすることは一切ありません。

ただ年配の方が嫌がることもあるので、午前中に行う方が良いでしょう。また法事・法要は友引に行わない方が良いという年配の方も多いので、友引は避けた方が無難です。

先勝における納車や引越し

先勝の日に納車や引越しは問題ないか、気にされる方も多いと思います。

縁起を担ぐのであれば、納車は午前中にしてもらうのが良いでしょう。

引越しに関しては、下記で異なってきます。

  • 荷物を持ち出す日と荷物を入れる日が同じ
  • 荷物を持ち出す日と荷物を入れる日が異なる

ともに午前中であれば問題ありませんが、仮に1日で終わらせる引越しなら、14時から18時に荷入れをするのはやめておいた方が良いでしょう。

また荷物を入れる日が先勝なら午前中に作業を開始してもらうのが良いでしょう。

以上、先勝についてでした。

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