夏至は、例年6月21日前後に訪れる二十四節気の10番目の暦で、五月中とも言われています。
「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」と暦便覧には記されており、北半球においては1年で一番日中が長い日となります。
冬至、春分、秋分同様よく使われる夏至について説明します。
夏至とは?
夏至は、二十四節気において2番目に配置されています。太陽黄経が90度の時です。
と書いてもわかりにくいですよね。
夏至には大きく分けて3つの意味があります。
天文学的な夏至
夏至とは太陽黄経が90度の時と説明されますが、どういう意味かと言えばまず下記の図を見てください。
地球を丸い球体の中心に置いたと考えて下さい。
この球体を天球と良い、天球には太陽が通る道が出来ます。この道を黄道と言います(正確には人の目で見て太陽が通る道)。
そして自転軸に対して地球の中心から直角(垂直)にした面を天球の描いたのが「天の赤道」です。
この黄道と天の赤道が交わる瞬間が年に2回あります。南側から北側に交わる日を春分、北側から南側に交わるのが秋分となります。
春分の日は太陽黄経が0度となり、夏至が90度・秋分が180度・冬至が270度です。
天文学的に夏至の時間(瞬間)は決められています。
時間は国で違うため、夏至の日や時間も異なってきます。下記は世界時と日本での夏至の日と時間を2000年から2050年まで表したものです。
年 | 世界時の日 | 世界時 | 日本の日 | 日本での時間 |
2000年 | 6月21日 | 1:48 | 6月21日 | 10:48 |
2001年 | 6月21日 | 7:38 | 6月21日 | 16:38 |
2002年 | 6月21日 | 13:24 | 6月21日 | 22:24 |
2003年 | 6月21日 | 19:10 | 6月22日 | 4:10 |
2004年 | 6月21日 | 0:57 | 6月21日 | 9:57 |
2005年 | 6月21日 | 6:46 | 6月21日 | 15:46 |
2006年 | 6月21日 | 12:26 | 6月21日 | 21:26 |
2007年 | 6月21日 | 18:06 | 6月22日 | 3:06 |
2008年 | 6月20日 | 23:59 | 6月21日 | 8:59 |
2009年 | 6月21日 | 5:46 | 6月21日 | 14:46 |
2010年 | 6月21日 | 11:28 | 6月21日 | 20:28 |
2011年 | 6月21日 | 17:16 | 6月22日 | 2:16 |
2012年 | 6月20日 | 23:09 | 6月21日 | 8:09 |
2013年 | 6月21日 | 5:04 | 6月21日 | 14:04 |
2014年 | 6月21日 | 10:51 | 6月21日 | 19:51 |
2015年 | 6月21日 | 16:38 | 6月22日 | 1:38 |
2016年 | 6月20日 | 22:34 | 6月21日 | 7:34 |
2017年 | 6月21日 | 4:24 | 6月21日 | 13:24 |
2018年 | 6月21日 | 10:07 | 6月21日 | 19:07 |
2019年 | 6月21日 | 15:54 | 6月22日 | 0:54 |
2020年 | 6月20日 | 21:43 | 6月21日 | 6:43 |
2021年 | 6月21日 | 3:32 | 6月21日 | 12:32 |
2022年 | 6月21日 | 9:14 | 6月21日 | 18:14 |
2023年 | 6月21日 | 14:58 | 6月21日 | 23:58 |
2024年 | 6月20日 | 20:51 | 6月21日 | 5:51 |
2025年 | 6月21日 | 2:41 | 6月21日 | 11:41 |
2026年 | 6月21日 | 8:24 | 6月21日 | 17:24 |
2027年 | 6月21日 | 14:10 | 6月21日 | 23:10 |
2028年 | 6月20日 | 20:01 | 6月21日 | 5:01 |
2029年 | 6月21日 | 1:47 | 6月21日 | 10:47 |
2030年 | 6月21日 | 7:30 | 6月21日 | 16:30 |
2031年 | 6月21日 | 13:16 | 6月21日 | 22:16 |
2032年 | 6月20日 | 19:07 | 6月21日 | 4:07 |
2033年 | 6月21日 | 1:00 | 6月21日 | 10:00 |
2034年 | 6月21日 | 6:43 | 6月21日 | 15:43 |
2035年 | 6月21日 | 12:32 | 6月21日 | 21:32 |
2036年 | 6月20日 | 18:31 | 6月21日 | 3:31 |
2037年 | 6月21日 | 0:21 | 6月21日 | 9:21 |
2038年 | 6月21日 | 6:08 | 6月21日 | 15:08 |
2039年 | 6月21日 | 11:56 | 6月21日 | 20:56 |
2040年 | 6月20日 | 17:45 | 6月21日 | 2:45 |
2041年 | 6月20日 | 23:34 | 6月21日 | 8:34 |
2042年 | 6月21日 | 5:14 | 6月21日 | 14:14 |
2043年 | 6月21日 | 10:57 | 6月21日 | 19:57 |
2044年 | 6月20日 | 16:50 | 6月21日 | 1:50 |
2045年 | 6月20日 | 22:32 | 6月21日 | 7:32 |
2046年 | 6月21日 | 4:13 | 6月21日 | 13:13 |
2047年 | 6月21日 | 10:02 | 6月21日 | 19:02 |
2048年 | 6月20日 | 15:52 | 6月21日 | 0:52 |
2049年 | 6月20日 | 21:46 | 6月21日 | 6:46 |
2050年 | 6月21日 | 3:31 | 6月21日 | 12:31 |
上記のように夏至の時間は決まっているものの、他の天体の影響を受けてごく僅かにズレることもあります。そのため、毎年2月1日に国立天文台が翌年度の春分の日付や二十四節気、夏至の日付を発表しています。
暦・二十四節気における夏至
天文学的なは瞬間ですが暦や二十四節気における「」は1日もしくは、特定の期間のことを指しています。
- 2021年は6月21日から7月6日
- 2022年は6月21日から7月6日
- 2023年は6月21日から7月6日
- 2024年は6月21日から7月5日
- 2025年は6月21日から7月6日
天文学的な夏至の時から黄道の角度で15度太陽が移動した時が「小暑」になるため、その前日までの期間をとしている訳です。
季節としての夏至
夏至は五月中とも言われます。
二十四節気は1つが概ね15日間で2つ合わせると約30日になり、2つの組み合わせで月を表すようことがあり、二十四節気で決める月を1月節、1月中というように「節月」と言います。
節月の月の前半を「節」、後半を「中」とつけています。
主に暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)で今でも使うことがあります。
夏至としての行事や風習
夏至は、冬至や春分、秋分と同様、重要な節気とされてきました。ただ他の二十四節気に比べると、行事やイベント、風習は少なくなっています。
というのも、昔の夏至の頃というのは農作業で一番忙しい時であり、行事やイベントを行う余裕が無かったからと言われています。
反面、冬至は農作業で特に行うことが無い時期であり、春分や秋分は農作業が始まる前、終わった後で、行事やイベントを行いやすい時期だったことが関係していると言われています。
それでも地域によっては、風習があります。
関西では夏至の時にタコを食べたり、静岡では冬瓜を食べる風習があります。関東や一部の地域では焼餅(半夏生餅)を食べる風習もあります。
なお日本電機工業会では、夏至の日を「エアコンの日」としてエアコンの普及に努めています。これからエアコンを使う日が続きますからね。
半夏生
半夏生(はんげしょう)は雑節の1つで、半夏(烏柄杓)という薬草が生える頃です。
かつては夏至から数えて11日目とされていましたが、現在では天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日となっています。毎年7月2日頃です。
香川県の香川県製麺事業協同組合では半夏生の日を「うどんの日」としています。
夏至に関すること
夏至に関するさまざまなことを追加していきます。
世界における夏至
夏至は日中(日の出から日の入りまで)が1年で一番長い日とされていますが、これは北半球での話で、南半球では日中が一番短い日となります。
南半球では冬至と同じ状態になる訳です。
また夏至の頃、北極圏では白夜となり南極圏では極夜となります。
白夜は夜でも日中のように明るくなり、極夜は日中でも夜のように暗くなります。
夏至の季節性
夏至は夏という言葉から暑い日を想像しますが、梅雨の真っ只中で、場合によっては寒く感じる頃でしょう。
でも夏至から40~50日後に平均気温が一番高い時期になります。
これは太陽の光が地表の表面温度を上げるまでだいたい40~50日後になることに関係しており、太陽が真夏モードに入るのが夏至であり、その効果が地表に出るのが40~50日後と考えれば面白いと思いませんか?
夏至の七十二候
二十四節気の1つを更に3つに分けている七十二候
夏至の七十二候は下記のものです。
3つとも植物になっているのは夏至だけです。
夏至に関するリンク
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