出初式は、全国各地で行われる消防署・消防関係者による、仕事始めの行事です。
新春恒例の行事であり、最近でも小さいお子さんから年配の方まで多くの方が楽しみにしている行事になっています。
出初式について詳しく説明します。
出初式とは
- 読み方:でぞめしき、伊勢神宮では「ではじめしき」
「出初め式」と書く場合もあります。
消防関係者(消防署・比較的多きな団体 等)により1月初旬に行われる、仕事始めの行事です。消防出初式と言う場合もあります。
出初式は新年の季語にもなっています。
出初式の成り立ち・歴史
出初式は、江戸時代の火消による出初(でぞめ)・初出(はつで)が起源となっています。
火消とは、江戸時代における消防組織およびその構成員のことです。今のように消防車が無い時代で、家が密集していた町には欠かせない存在でした。
火災発生時、延焼しないように家屋の解体・取り壊しも火消の大切な仕事でした。
出初式の起源は、1659年2月25日(旧暦・万治2年1月4日)に、江戸の上野東照宮で定火消によって行われた出初がはじまりとされています。
明治維新後、明治8年(1875年)1月4日に第一回東京警視庁消防出初式が行われ明治32年(1899年)には「消防出初式順序」が制定されました。
昭和4年(1929年)1月6日には昭和天皇臨席のもと、特設消防隊と全国消防組の親閲式が行われています。
現在の出初式
現在の出初式は、火災予防の啓蒙活動が中心になっているものの、昔からの梯子乗り・木遣り歌など伝統技能の披露を行う自治体もあれば、消防車のパレード、一斉放水・避難救助などの消防演習、消防職員・消防団員・消防功労者に対する表彰などが行われています。
他にも地域により様々なイベント・行事が行われています。
特に小さなお子さんを対象に、はしご車や消防車、救急車に乗れるイベントを行う消防署が多く、働く車が好きな小さなお子さんには大人気です。
また防災訓練を行っている自治体・消防署も多く、消化器の使い方から小さな火の消火活動を体験出来るところもあります。
出初式が行われる日
出初式は自治体・組織によってまちまちです。
基本的には1月4日以降から1月10日くらいまでに行うことが多くなっています。
有名なのは東京消防出初式で、毎年1月6日に東京ビッグサイトで行っています。
他にも地域によって1月4日から1月6日の間の固定の日に行ったり、第1土曜日(三賀日が重なった場合は第2土曜日)に行ったりしています。
詳しい日程はお住まいの地域の消防署や市役所に確認して下さい。
江戸時代から明治時代にかけては1月4日に行われていました。
出初式に関すること
出初式に関することを記していきます。
八百屋お七と丙午
江戸時代の江戸は世界でも類を見ないほどの火災被害が多い都市だったと言われています。
明暦の大火(1657年)・明和の大火(1772年)・文化の大火(1806年)を総称して江戸三大大火と呼ぶことがありますが、このクラスになると町が火事で消えるというレベルでした。今とは全く次元が違う火災です。
江戸時代の火災において有名なのが「天和の大火」(1683年)と呼ばれる火事で、火を出したとされる「八百屋お七」が丙午生まれだったということで、丙午の女性は気性が激しいと言われ、丙午には子供が生まないようにするということが昭和中期(1966年)までありました。
ただ明治時代までは今の火災とは全く違うものだったということは知っておいても良いかもしれません。
コメント