クリスマスおよびクリスマス・イブと言えば、もう説明が不要なくらい日本に定着した歳時記と言えます。
ただ正確にクリスマスの意味やクリスマスと暦の関係について把握している人は意外と少なくなっています。
正確なクリスマスの意味と暦の関係について紹介します。実はクリスマスは暦と非常に関係が深いものです。
クリスマスの本当の意味
クリスマスの意味で割と勘違いされていることを中心に紹介していきます。
クリスマスとは?
クリスマスとは、イエス・キリストの降誕を記念し祝うお祭りです。
イエス・キリストの誕生日を祝う日ではありません。というのもイエス・キリストの誕生日はわかっていません。
そのため、あくまでもクリスマスは、イエス・キリストが生まれてきた事・生誕したことを祝うものです。
クリスマスの日は12月25日じゃない?
ほとんどの国でクリスマスは12月25日ですが、一部の区域やキリスト教の宗派で1月7日に行うこともあります。
これは今の暦は「グレゴリオ暦」というものが採用されていますが、当時のキリスト教圏は「ユリウス暦」という暦が採用されており、ユリウス暦における12月25日はグレゴリオ暦の1月7日にあたるためです。
主に東方キリスト教会の一部で1月7日にクリスマスが行われています。
日本でも旧暦で神事等の行事を行うところがあるのと似ていますね。
クリスマス・イブとは?
クリスマス・イブの「イブ」は前日という意味で使われています。そのためクリスマス・イブはイエス・キリストの誕生日の前日と思っている方が多いですが、既にそうではないことは説明済みです。
しかしクリスマス・イブにもきちんと意味があります。
当時のキリスト教会で使われていた教会暦は今の時間帯とは異なり、1日の境界は日没からスタートでした。
つまり日没から翌日の日没までが1日と考えられており、イエス・キリストの生誕を祝う日としては、日没から・つまり12月24日の日没時刻(日本なら東京で16時30分頃・札幌で16時頃・沖縄で17時45分頃)から翌日12月25日の日没時刻までがクリスマスにあたります。
だから12月24日の夜は聖夜とも言われ、きちんとクリスマス・イブということに意味があることになります。
クリスマスと暦の関係
クリスマスがいつから始まったか正確には伝わっていませんが、4世紀初頭(西暦300年代のはじめの頃)には、12月25日とされていました。
つまり後年に作られたものというのが、現在の一般的な解釈です。
ではなぜ12月25日にしたのか?
それは当時のローマ帝国の状況に関係しています。
クリスマスが誕生した頃のローマ帝国
クリスマスが誕生した頃のローマ帝国において、既にキリスト教は国教とされていましたが、それほど普及していませんでした。
多くの人はミトラ教という宗教を信じていました。ミトラ教は太陽神ミトラスを主神とする宗教です。
これにあやかれないか?と考えたキリスト教の人たちが、太陽神らしさをイエス・キリストに求めたことがクリスマスを生むことになります。
クリスマス=冬至
当時のローマ帝国の暦では、12月25日は「冬至」でした。
冬至は日中の時間が最も短くなる日であり、この日を境に日中の時間が長くなっていきます。
つまり太陽神っぽさを出すために冬至にイエス・キリストの生誕を祝えば、これから太陽が復活していく…ということで、ミトラ教の人気にあやかれるのではないか?と考えた訳です。
これが当たり、キリスト教は信者を増やしていきます。
受胎告知=春分
聖母マリヤがキリストを宿したと言われる「受胎告知」、これはあまり知られていませんが3月25日とされています。
当時のローマ帝国では3月25日は春分でした。春分はまさにこれから春本番ですよ!という時期です。
まさにこれから春!という時に受胎告知を受けたというのは、クリスマスの冬至から逆算したものだと考えられています。
春分から冬至までの日数は概ね275日、人が生まれるまでにかかる日数は266日から280日と言われているので、日数的にも合います。
受胎告知の日である3月25日は「生神女福音祭」としてキリスト正教会では12ある大祭「十二大祭」の1つとされています。
冬至と夏至と春分と秋分
冬至や春分と聞くと二十四節気と思う方も多いと思いますが、二十四節気の中でも「冬至・夏至・春分・秋分」は世界中で古くからあったものです。
- 冬至:日中が一番短く夜が一番長い日
- 夏至:日中が一番長く夜が一番短い日
- 春分:日中と夜が同じ長さの日・これから温かくなる
- 秋分:日中と夜が同じ長さの日・これから温かくなる
これは地球から見た時の太陽の通り道を4等分した時に観測出来ることだからです。
春分の日の太陽の角度を0度とした場合、冬至や夏至・秋分は下記の図のように位置づけられます。
- 冬至:太陽黄経が270度
- 夏至:太陽黄経が90度
- 春分:太陽黄経が0度
- 秋分:太陽黄経が180度
クリスマスも受胎告知も、太陽の動きを宗教的に結びつけて決められた暦に関する日だということがわかります。
クリスマスケーキはいつ食べる?
最後にクリスマスケーキはいつ食べますか?
X(旧Twitter)を使ってアンケートをとってみました。
【ご協力ください】
アンケートへの回答および拡散にご協力ください。クリスマスケーキはいつ食べますか?
— こよみる (@koyomil_com) December 19, 2024
89票の結果は下記の通りです。
- 24日イブに食べる:47.2%
- 25日X’s当日に食べる:18%
- 前後の週末に食べる:7.9%
- ケーキは食べない:27%
25日よりも24日食べる人の方が3倍近くも多くなっています。
また仕事が忙しくて子どもや恋人がいる人だと前後の週末に食べるという人もそれなりにいることが想像出来ます。
また4人に1人以上はクリスマスケーキを食べないという結果になりました。
ちなみに我が家は24日の夜に食べています。
以上、クリスマス・クリスマスイブと暦についてでした。
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