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入梅(にゅうばい)

五節句・雑節・縁日

入梅は、雑節の1つで、例年6月11日前後となっています。

梅雨入りのことでしょ?と思う方も多いと思いますし、梅雨入りの意味でも使われますが、雑節としての「入梅」はそれ以外の意味もあります。

入梅について詳しく説明します。

入梅とは

  • 読み方:にゅうばい・ついり・つゆいり

最近は「つゆいり」という言葉は使っても「にゅうばい」という言葉は使わなくなりましたし、漢字表記でも「梅雨入り」と書くことが増え、「入梅」という表現が使われることは少なくなりました。

NHKでは「入梅」という表現を使わずに「梅雨入り」という表現を用いることになっています。

参考:「梅雨入り」(つゆいり)と「入梅」(にゅうばい)NHK

入梅と書くと概ね雑節としての意味が強くなっています。

二十四節気・五節句などの暦日のほかに、季節の移り変わりを、より適格に掴むために、またそれらの暦日の補助的な意味合いもあって、特別な暦日が設けられるようになりました。これを雑節と言います。
雑節のいずれもが、日本人の長い生活体験から生まれたもので、主に農作業と照らし合わされ、基本となって生まれています。
雑節は古くから日本人の生活の中に溶け込んで、年中行事・民俗行事となっていることがあります。

入梅の意味と成り立ち

入梅は、梅雨入りの時期を前もって示すために作られた雑節です。

現在は気象情報の精度がまして、暦における入梅を気にすることは無くなりましたが、昔の農家にとって梅雨入りの時期を知ることは田植えの日取りを決める上でとても重要なことで、暦に書かれた「入梅」を参考にしていました。

ただ暦に書く入梅の日は、時代とともに変化してきました。

1600年代の江戸時代では、芒種(例年6月5日頃)の後の最初の特定の十干に入梅が当てられていました。

例えば「芒種後、最初の壬の日が入梅」「芒種後、最初の丙の日が入梅」といったように。

その後もいろいろな定義で入梅を決めていましたが、干支を使った入梅の決め方だと10日の変動幅がありました。

1844年になり「天保暦」が採用されると入梅は「太陽黄経が80度の日」(もしくはその瞬間)と決められ、現在に至ります。

「太陽黄経が80度」って何のこと?と思うのでは?簡単に説明します。

黄道と赤道、天球の説明図

「太陽黄経が80度」というのは

地球を丸い球体の中心に置いたと考えて下さい。

この球体を天球と良い、天球には太陽が通る道が出来ます。この道を黄道と言います(正確には人の目で見て太陽が通る道)。

そして自転軸に対して地球の中心から直角(垂直)にした面を天球の描いたのが「天の赤道」です。

この黄道と天の赤道が交わる瞬間が年に2回あります。南側から北側に交わる日を春分、北側から南側に交わるのが秋分となります。

春分の日は太陽黄経が0度となり、夏至が90度・秋分が180度・冬至が270度です。

入梅は夏至の10日ほど前の「太陽黄経が80度」と天文学的に決まっている訳です。

ただ天気というものはズレるものであり、入梅が必ず「梅雨入り」の日となる訳ではなく、あくまでも暦(雑節)として決められているものです。

入梅の日

入梅の日は年によって若干変化します。ここ数年の入梅は下記のようになっています。

  • 2021年:6月11日(金)
  • 2022年:6月11日(土)
  • 2023年:6月11日(日)
  • 2024年:6月10日(月)
  • 2025年:6月11日(水)
  • 2026年:6月11日(木)
  • 2027年:6月11日(金)
  • 2028年:6月10日(土)
  • 2029年:6月10日(日)
  • 2030年:6月11日(火)

入梅に関すること

入梅に関することを記していきます。

入梅の反対語は出梅

入梅には「つゆいり」という意味がありますが、梅雨が明けると意味で「出梅」(しゅつばい・つゆあけ)」という言葉もあります。

ただし日本ではほとんど使われないことです。

入梅に関するリンク

入梅 Wikipedia

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