芒種は、例年6月6日もしくは6月5日に訪れる二十四節気の9番目の暦で、五月節とも言われています。
「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と暦便覧には記されており、稲作の種まきの頃という意味です。
あまり使われない言葉ですが、芒種について説明します。
芒種とは?
芒種は、二十四節気において2番目に配置されています。太陽黄経が75度の時です。
と書いてもわかりにくいですよね。芒種には大きく分けてつの意味があります。
天文学的な
芒種とは太陽黄経が75度の時と説明されますが、どういう意味かと言えばまず下記の図を見てください。
地球を丸い球体の中心に置いたと考えて下さい。
この球体を天球と良い、天球には太陽が通る道が出来ます。この道を黄道と言います(正確には人の目で見て太陽が通る道)。
そして自転軸に対して地球の中心から直角(垂直)にした面を天球の描いたのが「天の赤道」です。
この黄道と天の赤道が交わる瞬間が年に2回あります。南側から北側に交わる日を春分、北側から南側に交わるのが秋分となります。
春分の日は太陽黄経が0度となり、夏至が90度・秋分が180度・冬至が270度です。
春分から夏至の途中の夏至の1つ手前がが芒種で、太陽黄経度が75度となります。
天文学的に芒種の時間(瞬間)は決められています。
時間は国で違うため、芒種の日や時間も異なってきます。下記は世界時と日本での芒種の日と時間を2000年から2050年まで表したものです。
年 | 世界時の日 | 世界時 | 日本の日 | 日本での時間 |
2000年 | 6月5日 | 8:59 | 6月5日 | 17:59 |
2001年 | 6月5日 | 14:54 | 6月5日 | 23:54 |
2002年 | 6月5日 | 20:45 | 6月6日 | 5:45 |
2003年 | 6月6日 | 2:20 | 6月6日 | 11:20 |
2004年 | 6月5日 | 8:14 | 6月5日 | 17:14 |
2005年 | 6月5日 | 14:02 | 6月5日 | 23:02 |
2006年 | 6月5日 | 19:37 | 6月6日 | 4:37 |
2007年 | 6月6日 | 1:27 | 6月6日 | 10:27 |
2008年 | 6月5日 | 7:12 | 6月5日 | 16:12 |
2009年 | 6月5日 | 12:59 | 6月5日 | 21:59 |
2010年 | 6月5日 | 18:49 | 6月6日 | 3:49 |
2011年 | 6月6日 | 0:27 | 6月6日 | 9:27 |
2012年 | 6月5日 | 6:26 | 6月5日 | 15:26 |
2013年 | 6月5日 | 12:23 | 6月5日 | 21:23 |
2014年 | 6月5日 | 18:03 | 6月6日 | 3:03 |
2015年 | 6月5日 | 23:58 | 6月6日 | 8:58 |
2016年 | 6月5日 | 5:49 | 6月5日 | 14:49 |
2017年 | 6月5日 | 11:36 | 6月5日 | 20:36 |
2018年 | 6月5日 | 17:29 | 6月6日 | 2:29 |
2019年 | 6月5日 | 23:06 | 6月6日 | 8:06 |
2020年 | 6月5日 | 4:58 | 6月5日 | 13:58 |
2021年 | 6月5日 | 10:52 | 6月5日 | 19:52 |
2022年 | 6月5日 | 16:26 | 6月6日 | 1:26 |
2023年 | 6月5日 | 22:18 | 6月6日 | 7:18 |
2024年 | 6月5日 | 4:10 | 6月5日 | 13:10 |
2025年 | 6月5日 | 9:56 | 6月5日 | 18:56 |
2026年 | 6月5日 | 15:48 | 6月6日 | 0:48 |
2027年 | 6月5日 | 21:25 | 6月6日 | 6:25 |
2028年 | 6月5日 | 3:15 | 6月5日 | 12:15 |
2029年 | 6月5日 | 9:09 | 6月5日 | 18:09 |
2030年 | 6月5日 | 14:43 | 6月5日 | 23:43 |
2031年 | 6月5日 | 20:34 | 6月6日 | 5:34 |
2032年 | 6月5日 | 2:27 | 6月5日 | 11:27 |
2033年 | 6月5日 | 8:12 | 6月5日 | 17:12 |
2034年 | 6月5日 | 14:05 | 6月5日 | 23:05 |
2035年 | 6月5日 | 19:49 | 6月6日 | 4:49 |
2036年 | 6月5日 | 1:46 | 6月5日 | 10:46 |
2037年 | 6月5日 | 7:45 | 6月5日 | 16:45 |
2038年 | 6月5日 | 13:24 | 6月5日 | 22:24 |
2039年 | 6月5日 | 19:14 | 6月6日 | 4:14 |
2040年 | 6月5日 | 1:07 | 6月5日 | 10:07 |
2041年 | 6月5日 | 6:48 | 6月5日 | 15:48 |
2042年 | 6月5日 | 12:37 | 6月5日 | 21:37 |
2043年 | 6月5日 | 18:17 | 6月6日 | 3:17 |
2044年 | 6月5日 | 0:02 | 6月5日 | 9:02 |
2045年 | 6月5日 | 5:55 | 6月5日 | 14:55 |
2046年 | 6月5日 | 11:31 | 6月5日 | 20:31 |
2047年 | 6月5日 | 17:19 | 6月6日 | 2:19 |
2048年 | 6月4日 | 23:17 | 6月5日 | 8:17 |
2049年 | 6月5日 | 5:02 | 6月5日 | 14:02 |
2050年 | 6月5日 | 10:53 | 6月5日 | 19:53 |
上記のように芒種の時間は決まっているものの、他の天体の影響を受けてごく僅かにズレることもあります。そのため、毎年2月1日に国立天文台が翌年度の春分の日付や二十四節気、芒種の日付を発表しています。
暦・二十四節気における芒種
天文学的な芒種は瞬間ですが暦や二十四節気における「芒種」は1日もしくは、特定の期間のことを指しています。
- 2021年は6月5日から6月20日
- 2022年は6月6日から6月20日
- 2023年は6月6日から6月20日
- 2024年は6月5日から6月20日
- 2025年は6月5日から6月20日
天文学的なの時から黄道の角度で15度太陽が移動した時が「」になるため、その前日までの期間をとしている訳です。
6月20日までと勘違いしそうですが、2019年は6月21日までが芒種でした。また2056年は6月19日までです。
月・季節としての芒種
芒種は五月節とも言われます。
二十四節気は1つが概ね15日間で2つ合わせると約30日になり、2つの組み合わせで月を表すことがあり、二十四節気で決める月を1月節、2月節というように「節月」と言います。
主に暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などのこと)で今でも使うことがあります。
芒種としての行事
芒種は6月上旬から中旬までの期間で、芒種・二十四節気としての行事・雑節は「入梅」があります。
入梅(にゅうばい・つゆいり ついり)は、梅雨入りの時期に設定された雑節で、現在の日本では太陽黄経が80度となった時または日とされています。
概ね6月11日頃です。
元々は芒種後の最初の丙の日・壬の日(ともに6月10日頃)が入梅となっていましたが、太陽黄経が正確に図れている現在は太陽黄経80度の日(瞬間)となっています。
芒種=梅雨入りの時期というように昔から日本では言われていた訳です。
芒種に関すること
に関するさまざまなことを追加していきます。
芒種の季節性
芒種の「芒」は「のぎ」と読み、イネ科の植物の果実を包む穎(えい)のことです。もう少しわかりやすく言えば稲で言うところの籾殻にある棘のような突起のことです。
つまり稲等の穀物の種をまく頃という意味です。
現在の日本の稲作のほとんどが種をまかない「移植栽培」で、種をまく「直播栽培(ちょくはんさいばい)」は少ない状況です。ただし手間が省ける「直播栽培」は技術の発展により再び広がってきています。
と稲作の話をしたい訳ではなく、稲の種籾をまく時期は4月下旬から5月上旬で1ヶ月ほどのズレが日本ではあります。
そもそも二十四節気が登場した中国の内陸部の様子を伝えている言葉なので、日本の気候とは一致しないことが多くなっています。
芒種の七十二候
二十四節気の1つを更に3つに分けている七十二候
芒種の七十二候は下記のものです。
カマキリ、ホタルと昆虫が2つ出てきて、夏になってきたことを感じさせてくれる時期です。
芒種に関するリンク
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