ホワイトデーは既に3月の年中行事・歳時記とも言えるイベントですが、実は日本やアジアの一部の国のみで行われているものです。
日本においてはまだそれほど歴史の無いものですが、どういうイベント・年中行事なのか説明します。
ホワイトデーとは
ホワイトデーは一般的にはバレンタインデーにチョコレートをもらった男性が、女性にお返しをする日・プレゼントする日です。
プレゼントする品は、キャンディ・マシュマロ・ホワイトチョコレート・クッキー等、いろいろと言われており、諸説あります。
バレンタインデーの多様化に伴い、性別に関係なく、バレンタインのお返しをする日という認識が最近では進んでいます。
ホワイトデーは日本のみ?
ホワイトデーはバレンタインデーのお返しの日だからキリスト教と関係していると思っている方もいますが、全く関係ありません。
むしろ日本と中国や韓国、台湾等の一部のアジアの国でのみ行われているもので、欧米やオセアニアでは行われていない習慣です。
ホワイトデーの発祥・起源
ホワイトデーははっきり言えば日本のお菓子メーカーや百貨店がバレンタインデーが定着したのを利用して、お返しを贈ろう!というキャンペーンを行ったことが起源となっています。
ただどこが言い出したことなのか諸説ありますが、概ね3つとなっています。
- 不二家・エイワ説:1973年
- 石村萬盛堂説:1978年
- 全飴協説:1978年
不二家・エイワ説:1973年
バレンタインデーが普及し定着したことで、菓子業界がお返しをする日を作ってはどうか?という話になり1970年代初めから個別にいろいろな日を定めて、ビスケットやマシュマロ、キャンデー等をお返し品として宣伝するようになってきました。
不二家は「リターン・バレンタイン」としてお返し用のお菓子の宣伝販売を行うようになり、1973年にエイワという会社と協力して3月14日にマシュマロを販売するキャンペーンを開始しました。
これがホワイトデーの起源とされており、確認されているものでは一番古いものとなっています。
石村萬盛堂説:1978年
黄身餡をくるんだ白いマシュマロ菓子の「鶴乃子」で知られる福岡市の老舗菓子屋「石村萬盛堂」の社長が、バレンタインデーのお返しにせめてマシュマロでも渡してほしい旨の文章が少女雑誌に掲載されているのを目にしました。
石村萬盛堂はこの文章に触発され、バレンタインデーの返礼としてマシュマロを渡す日を創設し、返礼用マシュマロ菓子として「君からもらったチョコレートを僕の優しさ(マシュマロ)で包んでお返しするよ」とのコンセプトで、黄身餡の代わりにチョコレートをくるんだマシュマロを売り出すことにしました。
この「マシュマロデー」は、百貨店岩田屋のアドバイスで、当時大型のイベントが無かった時期にあたる3月14日に設定され、1978年(昭和53年)3月14日からキャンペーンが開始されました。
後に、他業界にもこのキャンペーンを拡張するため、1980年代に百貨店側からの申し出により名称をホワイトデーに変更したとしています。
全飴協説:1978年
全国飴菓子工業協同組合(全飴協)は、1978年(昭和53年)に「キャンディを贈る日」としてホワイトデーを制定し、2年後の1980年(昭和55年)より三越・電通の協力も得てイベントやキャンペーンをスタートさせました。
ホワイトデーを3月14日に定めた理由は、269年2月14日、兵士の自由結婚禁止政策に背いて結婚しようとした男女を救うためにウァレンティヌス司祭は殉教したが、その1ヶ月後の3月14日、その2人が改めて永遠の愛を誓い合ったとされていることや、古事記および日本書紀で日本において初めて飴が製造されたとされる日が3月14日前後とされていることに由来しているそうです。
ホワイトデーという名称は、英和辞典のホワイトの項に、シュガーやスイートといった解説が記載されており、若者の純愛や砂糖をイメージさせることによるものということになっています。
ホワイトデーの歴史は50年ほど
ホワイトデーの歴史は上記で説明した通り、1970年代初頭からなので、まだ50年ほどの歴史しかありません。
近年、日本の年中行事で販売されている食品(節分の恵方巻や土用の丑日)よりも圧倒的に歴史が短いものとなっています。
もっとも日本でバレンタインデーが流行したのは1958年頃からなので、こちらも60年ほどの歴史しか無いことになっています。
ホワイトデーの是非
ホワイトデーというよりはバレンタインデーの考え方が女性から男性、男性から女性という昔からの考え方になっており、ダイバーシティが注目されている現代においては、やや時代遅れな考え方になっていると言えます。
それにともないホワイトデーもかなり変化してきており、特に女性を中心に女性同士でバレンタインのお返しをする日にもなってきています。
男性だと女性よりも面倒に思う人が多く、定着していませんが、義理チョコのお返しをしないといけない面倒な日という認識になっている場合もまだあります。
元々がお菓子メーカーがお菓子を売るために作ったイベントなだけに、時代の変化によって、廃れていっても発展しても、それはそれで良いと思うのですが、面倒な年中行事は是非をもう少し考えても良いかもしれませんね。
ホワイトデーに関すること
ホワイトデーに関することを記していきます。
ホワイトデーの特設コーナー
スーパーマーケットお菓子店に2月中旬くらいから3月14日までに行くと、必ずホワイトデーコーナーがあります。
最近ではネットショップでも普通にホワイトデーコーナーが出来ています。
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