山茶始開(つばきはじめてひらく)は、七十二候の第五十五候の季節(略本暦による呼び名)です。
立冬の初候となり、「山茶花が咲き始める」という意味になります。
山茶始開について詳しく説明します。
山茶始開の読み方と詳しい意味
山茶始開の読み方は下記の通りです。
- つばきはじめてひらく
「山茶」はツバキのことですが「山茶花」で「サザンカ」となり、ここでは「山茶(つばき)」ではなく「山茶花(サザンカ)」を指しています。
初冬となりサザンカが咲いてくる季節を表現しています。
サザンカは初冬に咲く花として有名ですし、冬の季語にもなっています。
童謡「たきび」
さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」
しもやけ おててが もうかゆい
この歌でサザンカの存在を知った人も多いのではないでしょうか?
しかしサザンカで自生しているものは四国・沖縄・九州と山口の一部で温暖な地域だけであり、実は耐寒性がツバキよりも弱い花です。
山茶始開-立冬の初候の時期
山茶始開の時期・期間は概ね11月7日から11月11日ころです。
正確な期間は下記の通りです。
- 2021年:11月7日~11月11日
- 2022年:11月7日~11月11日
- 2023年:11月8日~11月12日
- 2024年:11月7日~11月11日
- 2025年:11月7日~11月11日
二十四節気は年によって期間が変わるため、七十二候もそれぞれ期間が年によって変化します。
同時期の中国(宣明暦)の七十二候の名称と意味
二十四節気・七十二候は元々中国で生まれたものです。二十四節気はほぼそのまま中国での書き方ですが、七十二候は中国のままだと意味が通じない部分や日本らしくない部分があり、江戸時代に入って渋川春海ら暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、「本朝七十二候」が作成されました。
現在では、1874年(明治7年)の「略本暦」に掲載された七十二候が主に使われています。
元々の中国(宣言暦)の七十二候は下記のようになっています。
- 名称:水始氷
- 意味:水が凍り始める
「みずはじめてこおる」と読みます。水が凍り始める時期を表現しています。
山茶始開に関すること
山茶始開に関することを紹介します。
山茶始開の季節感
山茶始開は100年以上前に考えられたもので、今の季節感にあっているかとと言えば概ねあっていますが、あくまでも西日本での話です。
そもそも自然に自生したサザンカは関西から東では見ることが出来ません。
江戸時代に編纂された七十二候の「山茶始開」はサザンカとされていますが、実はツバキそのものではないか?と思ってしまいます。
山茶始開に関するリンク
山茶始開に関するリンクです。
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