霜止出苗(しもやんでなえいづる)は、七十二候の第十七候の季節(略本暦による呼び名)です。
穀雨の次候となり、「霜が終り稲の苗が生長する」という意味になります。
霜止出苗について詳しく説明します。
霜止出苗の読み方と詳しい意味
霜止出苗の読み方は下記の通りです。
- しもやんでなえいづる
- しもやみてなえいずる
「しも やんで」「しも やみて」と2通りで読むことがあります。
「霜止」は、そのまま霜が降りなくなる、という意味です。そして霜が降りなくなって、苗が成長していく様子を現しています。
霜止出苗-穀雨の次候の時期
霜止出苗の時期・期間は概ね4月25日から4月29日ころです。
正確な期間は下記の通りです。
- 2021年:4月25日~4月29日
- 2022年:4月25日~4月29日
- 2023年:4月25日~4月29日
- 2024年:4月25日~4月29日
- 2025年:4月25日~4月29日
二十四節気は年によって期間が変わるため、七十二候もそれぞれ期間が年によって変化します。
霜止出苗の中国(宣明暦)の名称と意味
二十四節気・七十二候は元々中国で生まれたものです。二十四節気はほぼそのまま中国での書き方ですが、七十二候は中国のままだと意味が通じない部分や日本らしくない部分があり、江戸時代に入って渋川春海ら暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、「本朝七十二候」が作成されました。
現在では、1874年(明治7年)の「略本暦」に掲載された七十二候が主に使われています。
元々の中国(宣言暦)の七十二候は下記のようになっています。
- 名称:鳴鳩払其羽
- 意味:鳴鳩が羽を払う
「めいきゅう そのはねをはらう」と読みます。もしくは「いかる そのはねのはらう」と読むこともあります。
「鳴鳩」は鳴く鳩と書くので鳩のことかと思われますが、「イカル」もしくは「カッコウ」という鳥と言われています。
ただ「鳴鳩払其羽」は、冬は羽と身体の間に空気を貯めて寒くないようにしていた鳩が、春の陽気にポッポッポーと鳴きながら、羽を広げて毛づくろいしている様子だと言われています。
霜止出苗に関すること
霜止出苗に関することを紹介します。
霜止出苗の季節感
霜止出苗は100年以上前に考えられたもので、今の季節感にあっているかとと言えば、ほぼあっていません。
というのも、霜が4月下旬になって降りる地域は北東北か北海道だけで、本州のほとんどの地域では霜は3月くらいまでです。
今の季節感には少しあっていません。
また現在の日本の稲作のほとんどが種をまかない「移植栽培」で、種をまく「直播栽培(ちょくはんさいばい)」は少ない状況です。だから苗はビニールハウスで成長していることが多く、霜を気にすることはほとんどありません。
ただし手間が省ける「直播栽培」は技術の発展により再び広がってきています。
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