乃東枯（なつかれくさかるる）-夏至-初候-七十二候-第二十八候

乃東枯（なつかれくさかるる）は、七十二候の第二十八候の季節（略本暦による呼び名）です。

夏至の初候となり、「夏枯草が枯れる」という意味になります。

乃東枯について詳しく説明します。

乃東枯の読み方と詳しい意味

乃東枯の読み方は下記の通りです。

七十二候の中でも漢字から意味が非常にわかりにくい「乃東枯」ですよね。

意味としては「夏枯草が枯れる」という意味ですが、どこに夏が出てくるんだ？と思う方も多いと思います。

まず「乃東」は「だいとう」「なつかれくさ」と読みます。

「乃東」は夏枯草という花の古称で現在一般的な植物名にすると「ウツボグサ」「カゴソウ」「カコソウ」と言います。

あまり一般的な植物では無いので知らない人も多いと思いますが、漢方やハーブティーとしても使われる植物です。

開花時期は地域にもよりますが6月から8月の夏です。

なお冬至の初候となる「乃東生（なつかれくさしょうず）」と対になった七十二候です。

乃東枯の時期・期間は概ね6月21日から6月25日ころです。

正確な期間は下記の通りです。

二十四節気は年によって期間が変わるため、七十二候もそれぞれ期間が年によって変化します。

二十四節気・七十二候は元々中国で生まれたものです。二十四節気はほぼそのまま中国での書き方ですが、七十二候は中国のままだと意味が通じない部分や日本らしくない部分があり、江戸時代に入って渋川春海ら暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、「本朝七十二候」が作成されました。

現在では、1874年（明治7年）の「略本暦」に掲載された七十二候が主に使われています。

元々の中国（宣言暦）の七十二候は下記のようになっています。

「しかのつのおつ」と読みます。

この解釈はいろいろあり、概ね2つの意味になっています。

鹿の角を（人が）落とすというもの、鹿の一種（日本にはいない）がこの時期に角が取れてしまうというものです。

日本の鹿と言えば奈良等の鹿が有名ですが、奈良の鹿の角が落ちてしまう時期は春先なので、日本の鹿では無いだろうという見解です。

乃東枯に関することを紹介します。

乃東枯は100年以上前に考えられたもので、今の季節感にあっているかとと言えばウツボグサが早く咲く地域ではあれば（西日本）、概ねただしい季節感です。

ただし東日本だとまだ早い時期になっています。

乃東枯に関するリンクです。