彼岸入りした、彼岸明けした、お彼岸だからお墓参りに行かなくちゃ、お彼岸という言葉はこのように今もよく使われていますが、そもそもお彼岸って何だろう?と思いませんか?
お彼岸はいつからいつまでで、どういう意味があるのか説明します。
お彼岸・彼岸とは
- 読み方:彼岸=ひがん
お彼岸・彼岸とは、日本の雑節の1つで、仏教の思想が影響したものです。
お彼岸の期間
お彼岸は春分の日と秋分の日の、それぞれ前後3日間を合わせた7日間です。年間で14日間あることになります。
1日目 | 彼岸の 期間 |
彼岸入り |
2日目 | ||
3日目 | ||
4日目 | 春分・秋分 お彼岸の中日 |
|
5日目 | ||
6日目 | ||
7日目 | 彼岸明け |
春分の日・秋分の日は年によって変化しますが、春分は3月20日か3月21日、秋分は9月22日か9月23日です。
お彼岸の期間の1日目を、「彼岸入り」、春分の日・秋分の日を中日(なかび)と言い、最後の日を「彼岸明け」と言います。
ここ数年の春分の日・秋分の日は下記の通りです。
年 | 春分 | 秋分 |
2021年 | 3月20日 | 9月23日 |
2022年 | 3月21日 | 9月23日 |
2023年 | 3月21日 | 9月23日 |
2024年 | 3月20日 | 9月22日 |
2025年 | 3月20日 | 9月23日 |
2026年 | 3月20日 | 9月23日 |
2027年 | 3月21日 | 9月23日 |
2028年 | 3月20日 | 9月22日 |
2029年 | 3月20日 | 9月23日 |
2030年 | 3月20日 | 9月23日 |
春分の日と秋分の日がそもそも何なの?と思うかもしれませんが、科学的(天文学的)に導き出される日です。
球体の中心に地球を配置したものを天球と考えてください。
一般的には地球から見た空を1つの球体とみなしたものを天球と説明しています。
しかし球体の中心に地球を配置したものを天球とみなした方がわかりやすいと思います。
天球にそって地球から見た時に太陽が通る道を黄道と言います。
自転軸に垂直な平面を赤道と言い、赤道を天球まで伸ばしたものを天の赤道と言います。
黄道と天の赤道が交わる日(厳密には瞬間)が年に2回あり、その1つが春分、もう1つを秋分と言います。
どちらが春分でどちらが秋分かは、黄道にそって太陽が南側から北側に上がっていくのが春分で、北側から南側に下がっていくのが秋分となっています。
お彼岸の語源と由来
サンスクリット語のpāram(パーラム)の意訳であり、仏教用語としては、「波羅蜜」(Pāramitā パーラミター)の意訳「至彼岸」に由来するとされています。
浄土思想でいう「極楽浄土」(阿弥陀如来が治める浄土の一種、西方浄土)は西方にあり、1年の内で2度、昼と夜との長さが同じになる春分と秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝し、遙か彼方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まりとされています。
昼夜・東西が平行になるお彼岸の時期には、「あの世」へのゲートが開くといわれてきました。
現在ではこのように仏教行事として説明される場合が多く、それがやがて、祖先供養の行事へと趣旨が変わって定着しました。
しかしインドや中国ではお彼岸という行事が無く、日本独自のものであるため、日本古来の土俗的な太陽信仰や祖霊信仰と結びついて生まれたと考えられています。
彼岸という言葉自体が「日(太陽)に願う」=「日(ひ)願(がん)」=「日願」が仏教用語の「彼岸」と結びついて生まれたのでは?という説をいう方もいます。
9世紀初頭には既に行われていたとされています。
六波羅蜜を修める期間
一部では、中日は先祖に感謝する日で、残りの6日間は仏教における悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目「六波羅蜜」を1日に1つずつ修める日とされています。
お彼岸の供物「ぼたもち」「おはぎ」どっち?
お彼岸には「ぼたもち」もしくは「おはぎ」をお供え物とする風習がありますが、どちらが正しいのか?というと正解はありません。
ぼたもちの語源は、春のお彼岸の頃に咲く花「牡丹」からと言われており、おはぎの語源は、秋のお彼岸頃に咲く「萩(はぎ)」からと言われています。
つまり春はぼたもち、秋はおはぎ、と考えれば良いのではないでしょうか?
形状や大きさ、作り方も地域によって異なっている場合もありますし、そもそもぼたもちやおはぎをお供え物にしていない地域もあります。
お彼岸に関すること
お彼岸に関することを記していきます。
お彼岸・彼岸に関するリンク
- 彼岸 Wikipedia
- お彼岸を迎えるにあたって 浄土宗
- 社日(当サイト)
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