天地始粛(てんちはじめてさむし)は、七十二候の第四十一候の季節(略本暦による呼び名)です。
処暑の次候となり、「ようやく暑さが鎮まる」という意味になります。
天地始粛について詳しく説明します。
天地始粛の読み方と詳しい意味
天地始粛の読み方は下記の通りです。
- てんちはじめてさむし
七十二候の中でも漢字の字面から意味がわかりにくいものの1つです。
天地はそのまま空間・天と地を意味しています。「粛」は「つつし-む」という読み方の意味ですが「静まる」「ひきしまる」という意味もあります。
夏はすごいパワーを持っている季節ですが、その気・パワーが落ち着いてきている様子を現したものです。
夏から秋が深まってきたということになります。
天地始粛-処暑の次候の時期
天地始粛の時期・期間は概ね8月28日から9月1日ころです。
正確な期間は下記の通りです。
- 2021年:8月28日~9月1日
- 2022年:8月28日~9月1日
- 2023年:8月28日~9月2日
- 2024年:8月28日~9月1日
- 2025年:8月28日~9月1日
二十四節気は年によって期間が変わるため、七十二候もそれぞれ期間が年によって変化します。
同時期の中国(宣明暦)の七十二候の名称と意味
二十四節気・七十二候は元々中国で生まれたものです。二十四節気はほぼそのまま中国での書き方ですが、七十二候は中国のままだと意味が通じない部分や日本らしくない部分があり、江戸時代に入って渋川春海ら暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、「本朝七十二候」が作成されました。
現在では、1874年(明治7年)の「略本暦」に掲載された七十二候が主に使われています。
元々の中国(宣言暦)の七十二候は下記のようになっています。
- 名称:天地始粛
- 意味:ようやく暑さが鎮まる
「天地始粛」は日本でも中国でも同じものとなっています。
天地始粛に関すること
天地始粛に関することを紹介します。
天地始粛の季節感
天地始粛は100年以上前に考えられたもので、今の季節感にあっているかとと言えば、昨今の気温の情報を考えるとまだまだ暑い日が続くため、違和感があるかもしれませんね。
ただ北東北から北海道にかけては、夏のギラギラした様子は無くなり、まさには「天地始粛」と感じられるようになってきます。
江戸時代なら日本全国でそう感じていてもおかしくなかったのかもしれません。
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